クレジットカード
クレジットカードのキャッシング枠とは?金利とカードローンとの比較
更新日:
22.05.11
「クレジットカードのキャッシング枠はあまり利用しない方が良い?」
「クレジットカードキャッシングは手数料や金利が高いの?」
クレジットカードに付帯されていることが多いキャッシング機能。現金をすぐに準備する必要がある時に利用を検討したことがある人もいるでしょう。しかし、「クレジットカードのキャッシング枠は利用しないほうが良さそう」「キャッシングは手数料・金利が高い」など、あまり良い印象を抱いていない人も多いかもしれません。
キャッシングは急にまとまったお金が必要になった際に便利なものです。ただし、金利が高いというデメリットもあります。この記事では、クレジットカードのキャッシング利用に関して何となく不安を感じている人のために、キャッシングのメリット・デメリットや、キャッシング以外に現金を借りられる方法について詳しく解説します。
目次
クレジットカードのキャッシングとは?
キャッシングとはクレジットカードに付帯する、現金を借りられる機能のことです。例えば給料日前に飲み会や冠婚葬祭が続いてしまい、お金が足りなくなった時など、急に現金が必要になった場合でもすぐに現金を借りることができるので、とても便利な機能です。
クレジットカードを初めて作る際に、「キャッシング枠」の記入欄などを見かけて知った人もいるのではないでしょうか?
しかし、いくらでもお金を借りられるというわけではありません。キャッシングには上限が決まっているほか手数料なども発生します。そのため利用する際は、あらかじめキャッシングがどのようなものか把握しておくことが重要です。キャッシングとはどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。
クレジットカードの限度額とキャッシング枠とは?
クレジットカードの限度額はショッピング枠とキャッシング枠の合計となっていることが多くあります。ショッピング枠とは買い物に使える金額、キャッシング枠とは現金を借りられる金額のことです。
例えば、ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が20万円というクレジットカードがあったとします。この時、クレジットカードで5万円キャッシングをすると、ショッピング枠は5万円が引かれ45万円になります。また、ショッピング枠を40万円使って買い物をすると、残りのキャッシング枠は10万円に減ります。
このように、どちらか一方を利用することで限度額が変動するという仕組みになっている場合が多いことを覚えておきましょう。
キャッシング枠がいらないときは0円に設定できる
クレジットカードの申込時にはキャッシング枠の金額の設定を行います。その際にキャッシング枠を「0円」にしておくことができます。
キャッシング枠を0円にしておくと、万が一クレジットカードのスキミングや不正利用の被害にあった際に被害額をおさえられる可能性があるので、キャッシングでお金を借りる予定がないという方はキャッシング枠を0円にしておくといいでしょう。
クレジットカードのキャッシングのメリット
キャッシングの主なメリットは以下の3つです。
- 担保や保証人がない場合でもお金を借りられる
- 早ければ即日融資を受けられる
- 上限の範囲内で何度も借りられる
通常ローンなどで現金を借りる際は、万が一返済が滞った場合に備えて担保や保証人を用意する必要があります。しかしキャッシングは、申込段階で「安定した収入があるか」「過去に返済トラブルがないか」などを確認しているため、無担保・保証人なしで融資を受けられるのです。
また、ローンの場合は申し込みから融資を受けるまで数日かかるのが一般的ですが、キャッシングは早ければ即日で融資を受けられます。そのため、急に現金が必要になっても安心です。
また、返済をしっかり行うことができれば、事前に決められた上限の範囲内で何度でも融資を受けることが可能です。
クレジットカードのキャッシングのデメリットと注意点
キャッシングの主なデメリットや注意点は以下の3つです。
- 必要以上の利用に注意
- 不正利用されても補償されない可能性がある
- ローンよりも金利が高い
キャッシングは手軽に利用でき、返済をきちんと行っていれば何度でも借りられてしまうため、必要以上に借りてしまう人もいるかもしれません。
また、仮にクレジットカードを落としてしまった時は、不正利用される可能性があります。不正利用されたのがショッピング枠の場合の補償は手厚いカード会社が多いですが、キャッシング枠の場合は十分に補償されない可能性があるので注意が必要です。
さらに、クレジットカードのキャッシングは金利が高く設定されているのが一般的です。返済期間が長くなった場合は、金利による返済総額が大きくなるので注意しましょう。
キャッシングの前に確認したい3つのこと
「いざキャッシングしようとしたら、利用できなかった」などということのないように、実際にキャッシングを利用する前に次の3点を確認しておきましょう。
- キャッシング枠があるか確認
- 限度額がいくらになっているか
- 金利(利息)がいくらか
クレジットカードを申し込む際にキャッシングの上限額を希望すると、年齢や収入などの申込者の属性が審査されたうえ、利用枠が決定されます。申込後に「キャッシングを利用したい」と思った場合でも、審査を受けることが可能です。
クレジットカードのキャッシングとよく似たものに、カードローンがあります。どちらもカードを利用してお金を借り入れることのできるサービスですが、厳密にはこの2つは異なるものです。
一般的に、クレジットカードのキャッシングサービスはクレジットカードでローンを利用するためのもので、カードローンはローン専用カードを利用したローンサービスです。どちらもお金を借りるという目的は同じですが、お金を借りることをメインに考えるならキャッシングよりカードローンの方がよいかもしれません。
なぜなら、キャッシングの限度額は数万円~数十万円と小さく、金利も15.0~18.0%と高く設定されているからです。その点、カードローンは、キャッシングよりもお金を借りたい人にとってよい条件がそろっています。
カードローンは高額になれば適用金利が下がっていくため、高額借入の場合では金利面でカードローンの方がメリットがあります。 クレカのキャッシングは金利が2段階程度にしか分かれていないので、高額借入だと金利面のメリットがありません。
カードローンはまとまった資金を借り入れたい人のためのサービス、キャッシングはクレジットカードに付帯した少額のお金を借りたい人のサービスと覚えておいてください。キャッシングとカードローンの違いは後で詳しく解説します。
なお、キャッシング枠は増額も可能です。増額したいときはカード会社に連絡して、増額できるかどうか確認してみましょう
キャッシングで現金をATMから引き出す方法
キャッシングを利用する際は、提携金融機関のATMもしくはキャッシング専用の機器を利用します。一般的な利用方法は以下のような手順です。
- ATMのメニューから「お引出し」を選択
- クレジットカードを挿入
- 暗証番号を入力
- 「お借入れ」を選択
- 返済方法を選択(1回払いまたはリボ払い)
- 借入金額を入力
最後に、クレジットカード・利用明細書・現金を受け取ればキャッシングは完了。なお、キャッシングでは、借入に対して100円~200円程度の手数料がかかるのが一般的です。
返済方法は、ショッピングでの利用と同様に決められた引き落とし日に返済する方法と、ATMを使った早期返済などがあります。引き落としでの返済の場合は、引き落とし日までに口座にお金を準備しておきましょう。
キャッシングができないときの原因と対処法
キャッシングを利用したくても、利用できないことがあります。原因には次のようなことが考えられます。
- 他社の借り入れを含めて年収の3分の1以上をすでに借り入れしている
- 延滞があったなど、信用状況が悪化した
- キャシング枠を設定していない
キャッシング可能額は、貸金業法の総量規制によって設定されています。総量規制が適用されるのは、一社での借り入れ額ではなく、他社の借り入れ状況も含めた金額である点に注意が必要です。信用情報の悪化が原因の場合には、クレジットカード会社はキャッシングの利用制限や利用可能枠を減額することがあります。
見過ごしやすいのが、ショッピング枠の返済遅延です。ショッピング枠の返済が遅れると、クレジットカード全体の遅れとなります。心当たりがあれば、すぐに返済しましょう。まずはコールセンターに状況の確認をしてみてください。
キャッシング枠を設定していない場合は、クレジットカードの会員サイトや電話などから申し込みが必要です。
キャッシングとカードローンの違いを比較
先に解説したように、キャッシングに似た手段にカードローンがあります。どちらも急にお金が必要になった時に利用できる点は同じです。ここでは、キャッシングとカードローンの違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
キャッシングとカードローンの主な違いを表にまとめると以下の通りです。
キャッシング | カードローン | |
---|---|---|
借入限度額 | 小さい | 大きい |
金利 | 高い | 低い |
返済方法 | 少ない | 多い |
キャッシングの借入限度額は数万円~数十万円であることに対し、カードローンの借入限度額は数十万円~数百万円と大きな差があります。
また、キャッシングの金利は15.0~18.0%など高く設定されている一方、カードローンの金利は3.0~15.0%などキャッシングよりも低く設定されていることが一般的です。
キャッシングの返済方法は口座引き落としが一般的です、対してカードローンの返済方法は、口座引き落とし・提携ATM・インターネットと豊富に用意されています。
少額の借り入れを希望している、すぐに借りたい、一括返済できるといった人はキャッシングでもよいでしょう。一方、少しでも多く借りたい、金利を抑えたい人はカードローンを選ぶといいでしょう。
返済シミュレーション①:一括払い
キャッシング一括払いとカードローン一括払いで10万円借りた場合、返済総額にどのくらい差が生じるのでしょうか? キャッシングの金利を15.0%、カードローンの金利を10.0%としてシミュレーションを行うと、以下のようになります。
キャッシング(金利15.0%) | カードローン(金利10.0%) | |
---|---|---|
返済総額 | 10万1250円 | 10万833円 |
一括払いの場合はそこまで大きな差が生じることはありませんが、それでも金利差の影響は大きいと言えるでしょう。
返済シミュレーション②:リボ払い
キャッシングとカードローン、それぞれ10回のリボ払いで10万円借りた場合は、返済総額にどのくらい差が生じるのでしょうか?キャッシングの金利を15.0%、カードローンの金利を10.0%としてシミュレーションを行うと以下のようになります。
キャッシング(金利15.0%) | カードローン(金利10.0%) | |
---|---|---|
返済総額 | 10万6999円 | 10万4637円 |
一括払いの場合の差は400円程度とそこまで大きくありませんでしたが、10回払いになると2000円程度の差が出てきます。
融資額が大きくなればなるほど、また金利差が大きくなればなるほど、返済総額の差は大きくなります。ある程度の融資額を希望している場合には、カードローンを利用した方が良いと言えるでしょう。
キャッシングの利用でよくある疑問
キャッシングを利用するときに感じる疑問を解説します。
キャッシングはしない方がいい?信用情報への影響は?
キャッシングの利用を考えている人の中には「キャッシングを利用すると信用情報に傷がつくのでは?」と心配に思う人がいるかもしれません。
普段あまり意識しませんが、クレジットカードのショッピング枠を利用することも、キャッシング枠を利用することも、実は同じ「お金を借りること」です。
信用情報には「残債額」が記録されるので、キャッシングによって信用情報で「借入が増えた」ことは分かるようになっています。金額によっては「借金が多い」と判断されて他のローンやクレジットカードの審査に通過できなくなってしまうおそれはあります。
もっと大切なのは、滞納や遅延などの金融事故を起こさないことです。金融事故を起こすと、以後のクレジットカードの発行や住宅ローンの審査などに影響します。必ず期限までに返済するようにしましょう。
今のカードのキャッシング枠をなくせる?
キャシング枠はゼロにすることが可能です。具体的な方法はカード会社によって異なりますが、主に次の2つの方法があります。
- webで手続き
Web上で手続きできるクレジットカード会社なら、会員サイトからキャッシングの廃止手続きができます。手続きは数分で完了です。
- 電話で手続き
クレジットカードの裏面に記載されているコールセンターに電話します。オペレーターにキャッシング枠廃止の旨を伝えましょう。
繰り上げ返済すると手数料が安くなる?
繰り上げ返済のメリットは、返済回数が少なくなること、借り入れ期間を短くすることで利息を減らせることです。キャッシングの返済をATMでしている人なら、返済回数が少なくなればATM手数料の支払い総支払額も減りますね。
キャッシングでクレジットカードのポイントは貯まる?
キャッシングの利用でクレジットカードのポイントは貯まりません。
クレジットカードのキャッシングまとめ
- キャッシングは急にまとまったお金が必要になった際に便利
- カードローンと異なり、即日で借りられる
- 15.0%~18.0%程度と金利が高い点に注意
急に現金が必要になった時は、カードローンよりもキャッシングでの借り入れが適しています。カードローンを借りるにはまず審査に通らなければならないため、融資審査に時間がかかり即日融資を受けることは難しいのです。
既に所有しているクレジットカードのキャッシングを利用する際は、審査不要で速やかに現金を借りることができます。もしクレジットカードを所有していない場合でも、即日発行可能なキャッシング機能付きのクレジットカードを発行すれば、即日で融資を受けられます。
しかし、キャッシングは金利が高いというデメリットがあります。そのため、借りる金額を少額にする、なるべく一括で返済を完了するなど、計画的に利用することが重要です。
公開日:
21.08.13