リボ払いはやばい?仕組みと分割払いとの違いをわかりやすく解説

リボ払い

クレジットカードの支払い方法は、一括払いや分割払い、リボ払いなどから選べるのが一般的です。このうちリボ払いは、あらかじめ決めた一定額を支払う方法です。

リボ払いを利用すると、毎月の支払い額を一定にでき、家計の管理がしやすくなります。その反面「手数料がかかる」「利用残高が膨れあがることがある」などのデメリットもあるため、安易に利用すると生活が苦しくなってしまいかねません。

本記事では、リボ払いの仕組みやメリット、デメリット、失敗を防ぐための利用方法などをわかりやすく解説します。

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リボ払いとは?仕組みをわかりやすく解説

リボ払いは「リボルビング払い」の略称で、毎月決まった金額を支払う決済方法です。

リボ払いの仕組み

例えば、毎月10日が支払日となっているクレジットカードを使用して、1月5日にお買い物をしたとします。

毎月の支払金額が10,000円であるリボ払いで代金を支払った場合、2月10日(初回支払日)から毎月10,000円ずつ支払っていきます。

リボ払いで支払いをした場合、原則として手数料を支払わなければなりません。手数料の金額は、リボ払いの利用残高や金利に応じて決まります。

リボ払いの支払方式は「定額方式」と「残高スライド方式」の2種類

リボ払いの支払方式は、定額方式と残高スライド方式の2種類です。また、それぞれの支払方式は「元利定額方式」と「元金定額方式」のどちらかとなります。

※カード会社によって名称は異なります

利用代金が同額であっても、リボ払いの支払方式によって毎月の支払い額は異なります。リボ払いを利用するときは、支払方式の違いを理解しておきましょう。

定額方式と残高スライド方式の違い

定額方式と残高スライド方式の特徴は、それぞれ以下の通りです。

  • 定額方式:毎月の支払い額が一定である方式
  • 残高スライド方式:利用残高に応じて毎月の支払い額が変動する方式
定額方式の支払い方法

定額方式は、毎月の利用金額にかかわらずあらかじめ設定した一定の金額を支払っていきます。利用残高が増えても、毎月の支払い額は基本的に変わりません。

残高スライド方式の支払い方

残高スライド方式では、利用残高が一定金額を超えるごとに毎月の支払い額が増えていきます。利用残高と支払い額の決まり方の例は、以下の通りです。

利用残高 返済額
20万円以下 20,000円
10万円以下 10,000円
50,000円以下 2,000円
20,000円以下 1,000円

例えば、高額な家電を購入したため、利用残高が16万円となった場合、毎月の支払い額は20,000円となります。その後、支払いを重ねていき、利用残高が10万円になると毎月の支払い額は10,000円に減ります。

毎月の返済額の決まり方はカード会社によって異なるため、残高スライド方式のリボ払いを利用する前に確認しておきましょう。

元利定額方式と元金定額方式の違い

元利定額方式と元金定額方式の特徴は、以下の通りです。

  • 元利定額方式:元金と利息の合計額が一定である方式
  • 元金定額方式:毎月一定金額の元金に利息を加えて支払う方式

例えば、毎月の支払い額が10,000円であるとしましょう。

元利定額方式と元金定額方式の違い

元利定額方式は、元金と利息をあわせて10,000円を支払います。それに対して元金定額方式は、毎月10,000円の元金に利息を上乗せして支払う点が異なります。

元利定額方式は支払金額が必ず一定となるため、家計の管理がしやすくなるでしょう。一方の元金定額方式は、元利定額方式よりも利用残高を早く減らせる点がメリットです。

利用残高が40万円であるリボ払いの返済シミュレーション

ここで、リボ払いの利用残高が40万円である場合、定額方式と残高スライド方式で支払い額がいくら変わるのかをシミュレーションで確認してみましょう。

シミュレーションの条件は、以下の通りです。

  • 年率(実質年率):15%
  • 支払日:毎月27日
  • 初回支払日:2023年3月27日
  • 支払方式:元利定額方式
  • 定額方式の支払い額:月額10,000円
  • 残高スライド方式の支払い額:下記の通り
    ・利用残高が300,000円以下:月額10,000円
    ・利用残高が300,000円超500,000円以下:月額12,000円

  • 参考:アプラス「元利定額返済残高スライドリボルビング払いとは

上記の条件でシミュレーションをすると、結果は以下の通りになりました。

定額方式
定額方式
支払回数
56回
51回
支払い額合計
557,950円
536,125円
うち手数料
157,950円
136,125円
参考:アプラス「元利定額残高スライドシミュレーション

シミュレーションの結果、残高スライド方式の方が支払い回数は5回少なくなりました。

また、支払い額合計と手数料額についても、残高スライド方式の方が21,825円安いです。

定額方式と残高スライド方式のそれぞれが向いている人の特徴

定額方式は、毎月の支払い額を固定できるため、次の支払日に口座から引き落とされる金額を把握しやすい方法です。

家計の管理をしやすくしたい人は、定額方式のリボ払いであるクレジットカードを選ぶと良いでしょう。

一方の残高スライド方式は、利用残高が高くなると毎月の支払い額が段階的に増えていくため、定額方式よりも効率的に元金を支払っていけます。

支払回数や手数料負担を少なくしたい人には、残高スライド方式が向いているといえるでしょう。

リボ払いと分割払いの3つの違い

利用代金を複数回に分けて支払う方法には、リボ払いの他にも「分割払い」があります。リボ払いと分割払いの主な違いは「支払い期間」「支払い額」「手数料」です。

リボ払い
分割払い
支払い期間 残高を返済し終えるまで 自分で設定した支払い回数
支払い額 設定した毎月一定額 支払い回数によって変動
手数料 残高にかかる 1件ごとにかかる

1.支払い期間

リボ払いでは、利用残高と毎月の支払い額によって、支払期間は自動的に決まります。そのため、利用残高が多いほど、支払い期間は長くなっていきます。

対して、クレジットカードの分割払いでは自分自身で指定した支払回数に応じて返済期間が決まる仕組みです。例えば、支払い回数が5回である場合、支払い期間は5か月となります。

選択できる分割回数はカード会社によって異なりますが、3・5・10・20・30・36回などが一般的です。

2.支払い額

リボ払いは、クレジットカード会社が定める範囲で毎月の支払い額を決めることができます。毎月の支払い額を少なくすると、支払期間は長くなって支払総額は増えていきます。

一方の分割払いは、分割回数に応じて毎月の支払い額が決まる仕組みです。分割回数が多いと1回あたりの支払い額は少なくなりますが、支払総額は高くなります。

例えば、20万円のお買い物をする場合、リボ払いと分割払いでは毎月の支払い額や支払総額が以下のように異なります。

【20万円の買い物をした場合】
支払方法
リボ払い
(残高スライド方式・実質年率15.00%)
分割払い
(実質年率12.25%〜15.00%)
月々の支払希望額45,000円に設定
5回払いに設定
支払
1回目
47,500円
(元金45,000円+手数料2,500円)
41,360円
(元金39,092円+手数料2,268円)
支払
2回目
46,937円
(元金45,000円+手数料1,937円)
41,360円
(元金39,547円+手数料1,813円)
支払
3回目
46,375円
(元金45,000円+手数料1,375円)
41,360円
(元金40,000円+手数料1,360円)
支払
4回目
45,812円
(元金45,000円+手数料812円)
41,360円
(元金40,454円+手数料906円)
支払
5回目
20,250円
(元金20,000円+手数料250円)
41,360円
(元金40,907円+手数料453円)
支払総額
20万6,874円 20万6,800円
参考:ショッピングリボ払い返済シミュレーション|楽天カード
参考:分割払い返済シミュレーション|楽天カード

シミュレーションの結果をみると、支払い回数が同じ5回となるように設定したとしても、リボ払いと分割払いでは毎月の支払い額や支払総額が異なります。

自分自身が毎月支払える金額を把握し、適したクレジットカードの支払い方法を選ぶとよいでしょう。

3.手数料

リボ払いは、利用残高の合計に対して手数料がかかるのに対し、分割払いは1件ごとに手数料がかかります。

例えば、10万円の買い物をした場合、リボ払いと分割払いでは手数料の合計が以下のように異なります。

10万円の買い物をした場合
支払方法 リボ払い
(残高スライド方式・実質年率15.00%)
分割払い
(実質年率12.25%~15.00%)
月々の支払希望額:5,000円(全20回) 支払回数:20回
手数料合計 13,120円 13,600円
参考:ショッピングリボ払い返済シミュレーション|楽天カード
参考:分割払い返済シミュレーション|楽天カード

上記のシミュレーションでは、リボ払いの方が分割払いよりも手数料が480円安くなりました。ただし、利用金額や金利などの条件によっては、分割払いの方が高額になるケースもあります。

リボ払いはショッピングだけでなくキャッシングでも利用が可能

ほとんどのクレジットカードにはキャッシング機能が付いています。キャッシングとは、クレジットカードを利用してお金を借りることができる機能です。

クレジットカードのキャッシング機能を使って借りたお金を返済するときも、リボ払いを選択できるのが一般的です。

ショッピング枠とキャッシング枠の違い

クレジットカードでお買い物ができる金額の上限を「ショッピング枠」といいます。一方の「キャッシング枠」は、クレジットカードを利用して借りることができる金額の上限です。

クレジットカードを申し込むと、一定金額のショッピング枠が自動的に付与されます。しかし、キャッシング枠については基本的に自分自身で設定をしなければなりません。

また、キャッシングを利用するためには、申し込んだあとにクレジットカード会社の審査に通過する必要があります。

キャッシングで借りたお金は「翌月1回払い」と「リボ払い」のどちらかで返済をするのが一般的です。

返済金額は、ショッピング枠で利用した金額とあわせて登録口座から引き落とされます。

カードローンの多くはリボ払いで返済する

お金を借りる方法には、キャッシング以外にも「カードローン」があります。カードローンは、カード会社や銀行などが発行するローンカードを利用して、お金を借りることができるサービスです。

カードローンの多くは「残高スライド元利定額方式」で借り入れたお金を返済していきます。残高スライド元利定額方式は、毎月の支払い額は利用残高に応じて決まり、支払い額に元金と利息が含まれる支払方式です。

また、カードローンの方がキャッシングよりも金利の相場は低い傾向にあります。そのため、借入額が同じである場合、手数料額や支払総額はカードローンの方が低いです。

リボ払いがやばいといわれる理由とは?主なデメリットを解説

「リボ払いはやばい」「リボ払いを利用するのは危険」などと言われることがしばしばあります。主な理由は、以下の通りです。

1つずつみていきましょう。

手数料が高い

リボ払いの手数料を計算する際の実質年率は、15.00〜18.00%です。これは、利息制限法で定められている上限金利と同じ水準です。

分割払いの実質年率の相場が年12.50%〜15.00%であることを考えると、リボ払いの方が手数料は高くなりやすいといえます。

利用残高が多い場合や、毎月の支払い額が少なく支払期間が長い場合は、クレジットカードの手数料負担が重くなってしまう恐れがあります。

利用残高が高額になっていることがある

リボ払いは毎月同じ金額を支払うため、利用残高が減っているか増えているかがわかりにくいです。

そのため、一括払いや分割払いと比較して、お金を使っている意識が薄れやすく、ついつい使いすぎてしまう恐れがあります。

無計画にリボ払いの利用を繰り返してしまうと、気が付いたころには利用残高が高額となってしまっていることがあります。

とくに元利定額方式の場合は、手数料が毎月の支払い額に含まれるため、利用残高の増加に気が付きにくいです。利用残高が多いと、毎月の支払い額の大半を手数料が占めてしまって元金が減りにくくなり、いつまでたっても支払が終わらない状況になりかねません。

支払いを滞納するとカードの利用停止や残高一括請求となることも

リボ払いの支払いが滞ってしまうと、クレジットカード会社から電話や郵便などで催促の連絡が届きます。それに応じず、返済を長期間にわたって滞納すると、信用情報にキズが付いてしまう可能性があります。

信用情報は、クレジットカードやローンの申込状況や利用残高などに関する情報のことです。個人信用情報機関に一定期間登録されており、クレジットカードやローンを申し込んだ人の信用を判断する際の材料となります。

長期間にわたって支払いを滞納した履歴は、個人信用情報機関に登録されます。いわゆるクレジットカードのブラックリストに載った状態になリます。

信用情報にキズがつくと、クレジットカードやローンを申し込んでも審査には通過しにくいでしょう。

クレジットカードの残高不足や滞納を続けると、クレジットカードは強制解約となり、カード会社から残高の一括返済と遅延損害金の支払いを請求されることになります。

一括返済ができない場合は、裁判所からの支払催促が届き、それに応じないと給与や財産を差し押さえられてしまいかねません。

リボ払いの主なメリット

リボ払いにはデメリットばかりではなく、メリットもあります。リボ払いの主なメリットは、以下の3点です。

1つずつみていきましょう。

家計の管理がしやすい

一括払いや分割払いの場合、利用回数や利用金額に応じて毎月の支払い額が変わります。

クレジットカードの利用状況を正確に把握していないと、翌月の請求額が想定外に高くなってしまい、家計に打撃を与えてしまうかもしれません。

その点、リボ払いではクレジットカードの利用が多い月があったとしても、あらかじめ決めた一定金額を支払うため、他の支払方法と比較して家計の管理がしやすいです。

高額な買い物でも支払いを分散できる

価格が高い商品を買い物する際にリボ払いを利用すると、代金の支払いを分散できるため、欲しい商品にも手が届きやすくなります。

例えば、欲しい商品の価格が10万円であるとしましょう。翌月の支払日に口座の残高が10万円未満となるのであれば、一括払いでその商品は購入できません。

一方のリボ払いであれば、毎月5,000円や1万円などの金額を毎月支払うことで、10万円の商品を購入できます。

いつでも繰り上げ返済できる

リボ払いで買い物をしたあとは、好きなタイミングで繰り上げ返済ができます。

繰り上げ返済をして利用残高を減らせると、早めに支払いを終えやすくなるだけでなく、手数料の負担も軽減することが可能です。

繰り上げ返済は、銀行やATMなどから手軽に手続きが可能です。

リボ払いを利用する4つの方法

リボ払いを利用する方法は、主に以下の4種類です。

    リボ払いの利用方法

  1. 買い物の際にレジで申し出る
  2. あとからリボ払いに変更する
  3. 自動リボ設定のクレジットカードで支払いをする
  4. リボ払い専用カードで支払いをする

買い物の際にレジで申し出る

クレジットカードの多くは、会計時に申し出るとリボ払いで代金を支払えます。実店舗だけでなく、ネットショップで買い物をする場合でもリボ払いの選択が可能です。

例えば、食料品や日用品などを買うときは一括払いを利用し、高額な商品を購入するときのみリボ払いを選択する方法があります。

必要に応じて支払い方法を選択できれば、手数料の負担を抑えやすいでしょう。

ただし、店舗側がリボ払いに対応していないことがあります。お買い物をする前に、店舗がリボ払いに対応しているかどうかを確認しておきましょう。

あとからリボ払いに変更する

購入のタイミングでは支払い可能だと思っていても、あとから支払いが難しいと判明するケースもあるでしょう。

そのようなときは、カード会社の公式Webサイトやアプリ、電話などであとからリボ払いに変更することが可能です。

例えば、楽天カードでは以下の日程までに手続きをおこなうことで、あとからリボ払いへ変更できます。楽天カードの場合、あとからリボへの変更締切日は登録中の銀行によって異なることに注意しましょう。

楽天カードに登録中の金融機関 楽天カードの支払日が4月27日の場合
信用金庫など 最長4月19日まで
(支払日から5営業日前の前日)
三井住友銀行
三菱UFJ銀行
ゆうちょ銀行など
最長4月22日まで
(支払日から4営業日前の前日)
みずほ銀行
りそな銀行
横浜銀行など
最長4月23日まで
(支払日から3営業日前の前日)
楽天銀行など 最長4月24日まで
(支払日から2営業日前の前日)
参考:あとからリボ払い|楽天カード

あとからリボ払いに変更できる手続きの締日は、カード会社や支払日によって異なるため、公式Webサイトやマイページなどであらかじめチェックしておきましょう。

自動リボ設定が適用されたクレジットカードで支払いをする

クレジットカードによっては、支払い方法が自動的にリボ払いとなっていることがあります。

自動リボ設定が適用されたクレジットカードで決済をすると、会計時に指定していなくても支払い方法はリボ払いとなります。

一方で、一括払いや分割払いを指定しても自動的にリボ払いとなってしまうため、使うタイミングはよく考えることが大切です。

例えば、10万円など大きな買い物時以外にも、コンビニやスーパーなどでの数百円の買い物もリボ払いになります。

食料品や日用品の買い物までリボ払いのカードで支払ってしまうと、気付かない間に利用残高が増えてしまいかねません。

一括払いや分割払いなども利用したいのであれば、自動リボ設定を解除しておきましょう。

リボ払い専用カードで支払いをする

クレジットカード会社によっては、リボ払い専用カード(リボ払い専用カード)を発行している場合があります。買い物時にリボ払い専用カードを利用すると、自動的にリボ払いになります。

また、リボ払い専用カードの中には、通常のクレジットカードよりもポイントの還元率が高く設定されていることがあります。ポイント還元率とは、利用した金額に対してどのくらいのポイントがもらえるかを割合で表したものです。

ただし、リボ払い専用カードでは一括払いや分割払いなどは選択できません

一括払いを分割払いと併用するのであれば、通常のクレジットカードとリボ払い専用カードを状況に応じて使い分ける必要があります。

リボ払いでの失敗を防ぐ6つのポイント

安易にリボ払いの利用を重ねてしまうと、支払期間が長期化したり手数料負担が高額になったりする恐れがあります。

そこで、クレジットカードを利用する際は、以下の点を意識することでリボ払いでの失敗を防ぎやすくなります。

  1. 支払い方法が自動的にリボ払いとなっていないかを確認する
  2. 急な出費が必要になったときだけ利用する
  3. 毎月の利用明細をチェックして管理する
  4. 毎月の支払い額を高めに設定する
  5. 資金に余裕ができたら繰上返済をする
  6. 返済に困ったときは相談窓口を利用する

1つずつ解説します。

1.支払い方法が自動的にリボ払いとなっていないかを確認する

「自動リボ設定が適用されていた」「気が付かないうちにリボ払い専用カードで買い物をしていた」など、一括払いを選んだつもりでリボ払いとなっていることがあります。

支払い方法が自動的にリボ払いとなるカードの利用を繰り返してしまうと、利用残高が膨れあがってしまいかねません。

リボ払いを利用する意思がないのであれば、自動リボ設定を解除しておきましょう。名称だけではリボ払いであるとはわかりにくいケースもあるため、よく確認する必要があります。

また、申し込んだクレジットカードがリボ払い専用カードでないかどうかも、確認することをおすすめします。

2.急な出費が必要になったときだけ利用する

リボ払いを日常的に使用するのではなく、急に高額な支出が発生したときに限定するのも有効な手段です。

例えば、仕事でどうしても必要な車のエンジンが故障し、エンジン交換で50万円もの費用が必要なときは、リボ払いを利用する方法があります。

一方で、無計画に高額な商品を購入するために、リボ払いを利用するのはおすすめできません。「お気に入りのブランド物のバッグや服を見つけるとつい欲しくなる」「ウィンドウショッピングのつもりが思わず買ってしまうことが多い」という人は要注意です。

支払いが困難な状況にならないためにも、原則としてリボ払いは利用せず、どうしても必要なときに利用を限定すると良いでしょう。

3.毎月の利用明細をチェックして管理する

リボ払いでお買い物をする際は、毎月の利用明細を必ず確認し、利用残高や毎月の支払い額、手数料額などを把握しておきましょう。

クレジットカードの利用明細を確認して計画的にリボ払いを利用することで、利用残高が膨れ上がったり手数料負担が重くなったりするのを防ぎやすくなります。

また、利用明細を確認することで、クレジットカードの不正利用にも気が付きやすくなります。クレジットカードを利用したときは、必ず利用明細を確認しましょう。

4.毎月の支払い額を高めに設定する

リボ払いの利用残高をより早く減らしたいのであれば、毎月の支払い額を増やすとよいでしょう。毎月の支払い額を高くすると、手数料負担を抑えることも可能です。

例えば、利用金額と年率が同じでも、毎月の支払い額が7,000円の場合と20,000円の場合では、以下のような違いが生じます。

【20万円の買い物をした場合(残高スライド方式・元金定額方式・実質年率15.00%)】
支払希望額 7,000円 20,000円
支払1回目 支払額9,500円
(元金7,000円+手数料2,500円)
残高19万3,000円
支払額22,500円
(元金20,000円+手数料2,500円)
残高18万円
支払2回目 支払額9,412円
(元金7,000円+手数料2,412円)
残高18万6,000円
支払額22,250円
(元金20,000円+手数料2,250円)
残高16万円
支払3回目 支払額9,325円
(元金7,000円+手数料2,325円)
残高17万9,000円
支払額22,000円
(元金20,000円+手数料2,000円)
残高14万円
支払4回目 支払額9,237円
(元金7,000円+手数料2,237円)
残高17万2,000円
支払額21,750円
(元金20,000円+手数料1,750円)
残高12万円
支払5回目 支払額9,150円
(元金7,000円+手数料2,150円)
残高16万5,000円
支払額21,500円
(元金20,000円+手数料1,500円)
残高10万円

毎月の支払い額が7,000円である場合、5回目の支払いが終わったあとの残高は16万5,000円です。

それに対して、支払い額が20,000円であれば、5回目の支払いが終了した時点で残りの元金は半分の10万円となっています。

カード会社やカードの種類などで方法は異なりますが、月々の返済額は会員ページや指定のATMから増額できます。

毎月の収支から考えて無理のない範囲で、支払い額をできるだけ高めに設定すると良いでしょう。

5.資金に余裕ができたら繰上返済や一括返済をする

リボ払いでお買い物をしたあと、手持ち資金に余裕ができたときは積極的に繰り上げ返済をすると良いでしょう。

繰り上げ返済をして利用残高が減ると、手数料負担が軽減されるだけでなく、短期間で支払を終えることも可能です。

また、利用残高のすべてを支払えるだけの手持ち資金があるのなら、一括返済を検討すると良いでしょう。利用残高が多いうちに一括返済をすると、手数料負担を大幅に軽減できることがあります。

6.返済に困ったときは相談窓口を利用する

リボ払いの利用を重ねてしまい、支払いが困難な状況になったときは、一刻も早く専門家に相談することをおすすめします。主な相談先は、以下の通りです。

【リボ払いの相談先】
特徴
連絡先
弁護士・司法書士 債務整理過払い金など法律の観点から相談できる 最寄りの弁護士・司法書士事務所
日本クレジットカウンセリング協会
(JCCO)
多重債務などクレジットカード関連の相談ができる 電話相談
0570-031640 多重債務ほっとライン
受付時間
平日10:00~12:40、14:00~16:40
法テラス(日本司法支援センター) 法律の観点からリボ払いの返済についてアドバイスをもらえる 電話相談
0570-078374 サポートダイヤル
受付時間
平日9:00~21:00、土曜9:00~17:00
日本クレジット協会 クレジットカードに関する相談全般ができる 電話相談
03-5645-3361 消費者相談専用電話
受付時間
平日10:00~12:00、13:00~16:00

弁護士や司法書士などの専門家に相談をすると「任意整理」により、状況を改善できることがあります。

任意整理は、カード会社をはじめとした借入先と交渉して返済計画の和解を結び、その計画に応じて返済を継続する手続きのことです。

任意整理ができれば、今後支払う予定の利息をカットしたうえで、利用残高の残りを3〜5年程度で分割して返済することも可能です。

ただし、借入先が任意整理に必ず応じてくれるとは限りません。また、任意整理をする際は費用がかかります。

「返済が困ったときは任意整理をしたらよい」と、気軽にリボ払いを利用しないようにしましょう。

リボ払いを解除する方法と注意点

リボ払いの設定を解除する方法や手順は、カード会社によって異なります。利用しているカード会社の公式サイトを確認し、手順にしたがって手続きをすすめましょう。

リボ払いはWebサイトまたは電話で解除が可能

多くのカード会社は、Webサイトまたは電話からリボ払いの設定を解除できます。

Webサイトからリボ払いの設定が解除できるカード会社の例と、それぞれの解除方法は以下の通りです。

カード会社名
方法
三井住友カード
マイ・ペイすリボ
インターネットサービス「Vpass」より手続き
楽天カード
自動リボ
楽天e-NAVIから手続き
JCBカード
スマリボ
会員専用Webサービス「MyJCB」から手続き
セゾンカード
リボ宣言
会員専用インターネットサービス「Netアンサー」から手続き
またはアプリの「セゾンPortal」から手続き
イオンカード
まとめてリボ
イオンウォレット・暮らしのマネーサイトから手続き
※上記手続き方法は、2022年3月現在のものです。

Webサイトであれば自分自身の好きなタイミングで手軽に手続きをすることが可能です。

パソコンやスマートフォンなどの使い方に慣れておらず、Webサイトで手続きが面倒である人は、電話からリボ払いの設定を解除すると良いでしょう。

各カード会社の対応状況は、以下の通りです。

カード会社名
手順
三井住友カード 電話対応なし
楽天カード 電話対応なし
JCBカード JCBショッピングお支払い方法変更テレホンサービス
0120-802-570
セゾンカード 【リボ宣言】
0120-24-8376
イオンカード 【まとめてリボ】
0120-778-575

カード会社の多くは、自動音声の指示にしたがって数字や記号を入力することで、リボ払いを解除することが可能です。

【要注意】リボ払いを解除しても残高がある限り支払いは続く

クレジットカードの自動リボ設定を解除しても、残高がなくなるまでリボ払いは続きます。

そのため、自動リボ設定を解除したときに利用残高がある場合は、繰り上げ返済や一括返済をするのも方法でしょう。

自動リボ設定を解除する際は、利用残高がいくらあるのかも確認し、必要に応じて対処することが大切です。

この記事のまとめ
  • リボ払いは、あらかじめ決めた金額を支払う方法であり「定額方式」「残高スライド方式」がある
  • リボ払いは「手数料が高い」「利用残高が膨れあがっていることがある」などのデメリットがある一方で「家計の管理がしやすい」「高額な買い物でも支払いを分散できる」などのメリットもある
  • クレジットカードを利用するときは、基本的に一括払いを選択し、どうしても必要なときのみ計画を立てたうえでリボ払いを利用することが大切
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