クレジットカード
クレジットカードとは?初心者でもわかる販売信用の意味や使い方
クレジットカードとは、信用をもとに成り立つもので、1枚持っていれば手持ち金がなくても買い物が楽しめる便利な決済サービスです。
クレジットカードがあれば現金の代わりに使えて、財布のなかにいくら入っているかを気にする必要がありません。
しかし、クレジットカードは「あとからお金を払う」という信用を前提としたサービスです。そのため、後先考えずに使いすぎてしまうと、のちに支払えなくなるおそれも。トラブルを避けるためにも、自分に合った使い方をしなくてはなりません。
クレジットカードの基礎と使い方、困ったときの対策を押さえたうえで活用しましょう。
目次
クレジットカードとは?初心者にもわかりやすく解説
クレジットカードとは、商品を購入するときに代金を後払いで決済できるサービスです。
クレジットカード会社が提供するカードで決済を行うと、現金を持っていなくても買いものできます。店舗での買いものに限らず、ネットショップでの買いものにも使用でき、提携しているものであれば、公共料金や税金の納付も可能です。
クレジットカードは日本だけでなくアメリカをはじめ、世界中のさまざまな国で使われています。「VISA」や「MasterCard」など「国際ブランド」と呼ばれる決済サービス事業者のロゴマークがほとんどのカードに付いており、その加盟店であれば国や地域を問わず利用できます。
海外で現金を使って支払う場合、地域ごとの通貨に両替しなければなりません。しかしカードを使えば、両替する必要がないため手間も省けます。
クレジットカードは「信用」をもとに成り立つ取引システム
クレジット決済は「販売信用」ともいわれ、利用する人の信用をもとに成り立つ取引システムです。利用者に後日支払う能力があることを前提に、クレジットカード会社が代金を立て替えることで、商品やサービスの購入時に手持ちの現金がなくても決済できます。
支払能力は人によって異なるため、利用できる金額も個人ごとに変わります。
そのため、クレジットカード会社が利用者ごとに上限金額を設定するのが一般的です。利用者ごとに決められた上限金額のことを、「利用限度額」といいます。
基本的には、利用限度額を超える金額の決済はできません。利用限度額を超える場合には、現在の利用残高を減らす必要があります。
カードによっては、利用限度額を超えてしまった場合、前月の支払が済むまで利用停止となることもあります。停止措置が解除されるまで使えなくなるため、残高はあらかじめ確認しておきましょう。
クレジットカード会社の審査通過で契約が結ばれ使用可能
クレジットカードは、提供する会社が一時的に支払を肩代わりする仕組みです。そのため代金を一時的に支払ってくれる会社がないと、売買や取引が成立しません。
利用するためには、カードを提供している会社との契約が必要です。
希望するクレジットカードへの申し込みを行い、審査に通過することで契約できます。
なお、クレジットカードと似たシステムに「個別クレジット」があります。カードを使用する場合と違い、商品の購入ごとにクレジット契約を行うものです。
そのため買いものをするたびに申し込みをし、審査を受ける必要があります。おもに車や住宅の購入、携帯電話を契約する際などによく使われる決済方法です。
審査では支払能力の調査が行われ、申込者の過去の取引履歴といった情報も審査対象となります。日頃から着実に支払うよう心がけましょう。
日本で使える5つの国際ブランド
現在、日本で発行されるカードの大半は、以下のような国際ブランドの決済サービスを利用しています。
ブランド名 | 特徴 |
---|---|
VISA(ビザ) | 国際ブランドのなかでも、シェア率が高い。 JCBの会員数が1,400万以上であることに対し、VISAは約34億人。(2019年12月末時点) |
Mastercard(マスターカード) | 海外での加盟店数が多い。 American Express が6,000万件に対し、Mastercardは8,000万件。 参考:2021年のグローバル・ブランド別 加盟店数|Mastercard |
JCB(ジェーシービー) | 日本から生まれた、セキュリティ対策が充実した国際ブランド。年中無休で不正利用のモニタリング、覗き見防止など充実した対策が行われる。 |
American Express(アメリカン・エキスプレス) | 16種類のカードが提供されている。マイル還元に優れたものや保険が充実したものなど、内容はさまざま。 |
Diners Club(ダイナースクラブ) | 一律の利用上限を設けていないことが特徴。 従来クレジットカードは、最大となる利用上限が設定されるが、Diners Clubは個人ごとに上限が設定されるため、収入によっては輸入車など高額な商品の購入に利用可能。 |
国際ブランドのカードに対応している店舗やネットショップは、国内・海外ともに多く見受けられます。
海外に行くことが多い人だけでなく国内でクレジットカードを活用したい人でも、国際ブランドのカードを持っていると幅広く便利に利用できるでしょう。
クレジットカードがあれば手持ちの現金がなくても買いものできる
クレジットカード決済では代金はあとから支払うため、提携している店であれば、手持ち金がなくてもカードを提示するだけで買いものができます。
また手もとに現金が必要ないため、高額な商品の購入だけでなく急な出費への対応も可能です。
日常生活や旅先で急にお金が必要になることもあるでしょう。手もとに現金が足りなくてもカードを所有していれば、わざわざ口座からお金を引き出す必要がありません。近くのATMを探す手間も省けるのが大きなメリットです。
ネット上や海外での買いものまで幅広く使える
近年では、インターネット上のWebサイトでのショッピングにも対応しているクレジットカードがほとんどです。実際の店舗で買いものするわけではないため、手続きもすべてWebで行います。
一般には、サイト内にある決済方法の選択画面から手続きが可能です。
またWebで使用する場合、ポイントモールが設置されていることがあります。ポイントモールを経由して決済を行うと、ポイントが追加される仕組みです。
また、海外で幅広く使えることも特徴です。使用できるシーンはカードによって異なりますが、両替する手間を省けます。
また海外では、治安が不安定な地域も存在しています。そのような地域で多額の現金を持ち歩くのは、窃盗などに巻き込まれるリスクが高くなるため注意が必要です。
カードを携帯すれば持ち歩く現金を少なくでき、資金盗難のリスクを減らせます。クレジットカードが盗まれた場合でもすみやかにカード会社に連絡することで、機能を停止させることもできます。
クレジットカードの4つの支払方法
クレジットカードでの支払方法は、おもに4つあります。
- 一括払い:ひと月の利用額を一括で支払う方法
- ボーナス払い:ボーナスが入ったときに一括で支払う方法
- 分割払い:支払回数を指定して分けて支払う方法
- リボ払い:自分で設定した一定額を毎月支払う方法
選択できる支払方法は、カードや利用店舗ごとに異なります。方法によって月々の返済額や手数料も大きく変わるため、支払方法についてはきちんと理解しておきましょう。
また店舗や購入手段によっては、カードの使い方が異なる場合があります。たとえば店舗で使用する場合、サインを求められることもあれば、暗証番号の入力が必要なケースも存在します。
店舗であればスタッフがサポートしてくれますが、Webで使用するときは自分で支払手続きを行なわなくてはなりません。
商品やサービスを購入する際に適した支払方法を選択できるようにしましょう。
1.「一括払い」はひと月の利用額を一括で支払う方法
一括払いとは、ひと月で利用した代金を1回で支払う方法です。
締め日(ひと月の利用額が確定する日)や支払う日時については、クレジットカード会社ごとに異なります。目安としては、利用月の翌月に設定されるケースが多いですが、一部利用月の末日に支払いが発生するケースもあります。
締切日の翌月支払 | 三井住友カード MUFGカード 楽天カード エポスカード イオンカードセレクト PayPayカード |
---|---|
締日が毎月15日の場合は毎月末日支払 | 楽天カード |
一括払いは手数料が無料となるのが一般的です。そのため、ほかの支払方法とは違い、手数料を気にする必要がありません。
一括払いを希望するときは店舗での支払時にカードを提示し、担当スタッフへ一括払いしたい旨を伝えましょう。
Webであれば、支払方法の選択画面が表示されたときに、「一括払い」を選択します。なおWebサイトによっては、「1回払い」と表示されることもあります。
2.「ボーナス払い」はボーナスを使って一度に支払う方法
ボーナス払いは、ボーナスの支給時期にあわせて支払う方法です。
ボーナス払いには、「ボーナス一括払い」と「ボーナス2回払い」の2つがあります。
ボーナス一括払いでは、決められた日時にまとめて代金を支払います。対してボーナス2回払いでは夏と冬などのように、決められた日時のなかで代金を分けて支払うことが可能です。
なお、実際にボーナスが支給されていない人でも利用できます。
ボーナス払いは、資金を準備する期間を確保できるのが特徴です。一括払いのようにすぐに支払う必要がないため、ゆとりをもった返済計画を立てられます。
店舗でボーナス払いを希望するときは、その旨をスタッフに伝えてください。ボーナス一括払いとボーナス2回払いを選べるときは、希望するほうを選択しましょう。
Webで手続きする場合も同様に、支払方法の選択画面でボーナス払いを選択してください。
3.「分割払い」は支払回数を指定して分けて支払う方法
分割払いは、支払回数を3回以上に指定して分割で支払う方法です。
クレジットカードごとに用意されている支払回数から、自分が希望する回数を選び月々の決められた日時までに支払います。加えて、分割払いでは手数料が発生するのが一般的です。手数料の金額は、利用金額や支払回数で異なります。
分割払いは1回あたりの支払金額を抑えて、高額な商品を無理せず購入したいときに向いている支払方法です。
店舗で分割払いを希望する際には、支払いのときに店舗スタッフから回数を聞かれます。選択回数によって月々の支払額が大きく変動するため、あらかじめ計算しておきましょう。
なお、クレジットカード会社のWebサイトで返済シミュレーションが可能です。
契約会社のシミュレーションページであれば、そのクレジットカード会社の手数料率で計算できるため、正確に近い支払額が出るはずです。
(例:分割払い返済シミュレーション|楽天カード)
Webで手続きをする場合には、Webサイトや出品しているショップによって、使い方が異なるため注意が必要です。利用する際は、Webサイトやショップごとのガイドラインを確認してください。
4.「リボ払い」は自分で設定した一定額を毎月支払う方法
リボ払いとはリボルビング払いの略で、月々の支払額を設定し毎月決まった日時に支払う方法です。リボ払いには、2種類の支払方法が存在します。
まずは「残高スライド方式」です。現時点でのクレジット利用額に応じて、月々の支払金額が変動します。クレジットの利用額が多くなればなるほど、支払う額も増えていくのが一般的です。
一方で、支払額が固定式の支払方法を「定額方式」といいます。月々の支払額は固定されているため、クレジットカードの利用額により支払額が変動することはありません。
リボ払いは、月々の支払額を変更できることがメリットです。たとえば普段より収入があった際、その月の支払金額を増やすことで、利用残高を予定より早く減らせます。
ただし契約先の会社によっては、支払う金額を変更する際に連絡が必要です。場合によっては、月々の支払額を設定しなおす必要があります。
リボ払いを希望するときは、クレジットを利用する店舗でスタッフに伝えましょう。店舗によっては、月々の支払額をその場で確認し、内容に問題がなければ同意します。
Webの場合は、画面の指示に従い操作を行なってください。
クレジットカードの選び方の5つのポイント
クレジットカードは、自分の目的や用途に合ったものをみつけることが大切です。
クレジットカードにはそれぞれに特徴があり、付帯するサービスも異なります。自分の目的に合ったものをみつけることで、より恩恵を受けやすくなるでしょう。
クレジットカードの選び方
- 割引や優待特典で選ぶ
- 発行スピードで選ぶ
- ポイント還元率で選ぶ
- マイル還元率で選ぶ
- 年会費で選ぶ
自分に合わないと感じたクレジットカードは、クレジットカード会社ごとの手続きに従い解約が可能です。ただし合わないからといって、頻繁に解約を繰り返すのは控えましょう。
クレジットカードの解約を行うと、「解約情報」が信用情報機関に記録されます。短期間で頻繁に解約を繰り返すと、信用情報に影響を及ぼすおそれがあるため注意が必要です。
そのような事態を避けるためにも、クレジットカード選びは慎重に行いましょう。
1.割引や優待特典で選ぶ
クレジットカードには、以下のような割引や特典がついていることが一般的です。
- 年会費割引
- 提携施設でのショッピングでボーナスポイント付与
- 全国の飲食店で使える割引特典
- 遊園地や水族館の入場料割引
- カラオケ割引
- 美容院やネイルなどのサロン割引
- スパ・日帰り温泉などの入場料割引
- 舞台・イベントのチケット優待
- レンタカー・カーシェア利用割引
- 海外旅行粗傷害保険
割引や特典にはさまざまな種類がありますが、とくに年会費割引や加盟店優待は多くのカード会社で採用されています。
年会費割引とはカード会社が提示する条件を満たした場合に、年会費が無料もしくは割引されるサービスです。割引が適用されることで、カードの維持費を抑えられます。
また加盟店優待では、該当する店舗で支払った際、利用料の割引といった特典を得ることが可能です。さらには会員になることで、コンサートチケットが手に入るカードもあります。
ショッピングの際に割引が適用される種類もあり、うまく活用することで節約にも役立つでしょう。
なお割引や優待を充実させるため、多くのカードを分散させて使うよりも1〜3枚に絞ってカードのランクアップを目指すことがおすすめです。
一般カードからゴールドカードやプラチナカードへランクアップすると、ポイント還元率が高くなったり、より多くの優待を受けられたりするメリットがあります。
カード会社によって割引や優待のサービス内容は異なるため、比較検討してみてください。
2.発行スピードで選ぶ
クレジットカードの利用を急ぐときには、発行スピードも重要なポイントです。
クレジットカードが利用できるまでの時間は、会社によって異なります。
手もとに届くまでに申し込みから2週間ほどかかるカードもあれば、当日からクレジット決済の利用ができるカードも存在します。
なお申込当日に利用開始できるカードの一例は以下のとおりです。
三井住友カード(NL) | 契約が完了すると、発行されるカード番号を使用し、直ちにクレジット決済の利用が可能。 カードは後日自宅へ郵送される。 |
---|---|
エポスカード イオンカード | 申込当日に最寄りの店舗で受け取れる。 |
このようにクレジットカードは、種類によって発行スピードが大きく異なります。
カードを早く受け取りたいときは、発行スピードが早いクレジットカードを選びましょう。
3.ポイント還元率で選ぶ
クレジットカードを選ぶときには、ポイント還元率も大事な要素です。
大半のクレジットカードでは、使った金額に応じてポイントが付与されます。
付与されるポイントは、利用額に応じて還元率をもとに計算します。
ただし還元率は、クレジットカードごとで異なるため注意が必要です。具体的には、下記のような計算で求めます。
例)10,000円(利用金額)×0.5%(還元率)=50ポイント(付与ポイント)
還元率はカードごとに基本となる割合が決められており、オプションや利用内容によって加算されていくのが一般的です。
なお貯まったポイントは、指定された商品との交換やマイルへ変換もできます。またカードによっては、次回以降の支払に充てることも可能です。
ポイントの利用先にはさまざまなものがあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
4.マイル還元率で選ぶ
クレジットカードには、使った金額に応じてマイルが貯まるものが存在します。
マイルへの変換方法や還元率は、クレジットカードによって異なります。直接マイルに変換される種類もあれば、一度ポイントに変換したあとマイルへ交換するなど、方法はさまざまです。
マイルが貯まるカードには、下記のようなものがあります。
カード名 | マイル還元率 | マイル交換レート | 利用可能な航空会社 |
---|---|---|---|
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード | 1.00%~1.10% | 3,000ポイント=1,000マイル | ANA/JAL/スカイなど |
JALカード | 0.50%~1.00% | 200円=1マイル | JAL |
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード) | 0.50%~1.50% | OkiDokiポイント:1ポイント=5・10マイル メトロポイント:100ポイント=90マイル | ANA |
ANA JCB 一般カード | 2.00% | 1ポイント=10マイル | ANA |
上記の表でもわかるように、対応している航空会社はクレジットカードごとに異なります。
そのためクレジットカードを選ぶ際には、貯めたマイルを希望する航空会社で利用できるか確認が必要です。
マイルを貯めると旅費を抑えられるため、出張や旅行が多く飛行機をよく利用する人は、マイル還元率から利用するクレジットカードを選んでみてください。
5.年会費で選ぶ
年会費もクレジットカードを選ぶ際に重要なポイントです。
クレジットカードには、無料のタイプと有料のタイプが存在しますが、年会費無料のカードでもポイント還元や割引などのサービスは充実しています。
なおカード会社によっては、クレジットカードにランクがあります。ランクには一般やゴールドおよびプラチナなどがあり、ランクが上がるにつれ年会費が高く、サービス内容も充実していきます。
ただし高いランクには、年収や利用額などの条件が設定されているケースがほとんどです。ランクを上げるためには、クレジットカードごとに設定された条件を満たす必要があります。
まずは年会費無料の一般カードを申し込み、利用していくなかでより充実した優待サービスを利用したいと思ったときに切り替えるのも1つの手段です。
クレジットカードの申込に必要なものと手順
クレジットカードを作る際は、クレジットカード会社への申し込みが必要です。
申し込みの手順は各会社で異なりますが、一般的な流れを把握しておくとイメージしやすくなり、スムーズに手続きを進められるでしょう。
クレジットカードの申し込みをする場合、提出が求められる書類があります。必要となる書類は会社によって異なりますが、一般的には下記のような書類が必要です。
- 身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 現住所が確認できるもの(住民票、健康保険証など)
カード会社によっては上記以外の書類が必要となる場合があるため、申し込みのときに確認しましょう。
なおクレジットカードの申し込みは、一般的に以下の流れで進めていきます。それぞれの流れについて、詳しくチェックしていきましょう。
- 申し込むカードを決めて申込書を取り寄せる
- カード申込書をクレジットカード会社に提出する
- クレジットカード会社の審査を受ける
- クレジットカードが発行される
1.申し込むカードを決めて申込書を取り寄せる
まずは、クレジットカードの選定を行い、申し込むカードを決めたら「申込書」の取り寄せを行います。
申込書には名前や住所、年収などの個人情報を記載します。記載した情報はおもに審査で使われるため、間違いがないように正確に記入してください。間違いがあると、審査に影響を及ぼすおそれがあります。
なお申込書は、銀行や販売店の窓口などで取得可能です。カード会社に連絡して、パンフレットとともに取り寄せることもできます。
近年では、Webから申し込めるクレジットカードも存在します。Webで申し込む場合には、申込書は必要なく公式サイトから直接申し込みが可能です。
2.カード申込書をクレジットカード会社に提出する
申込書の記入が済んだら、クレジットカード会社へ提出します。
提出方法は、会社ごとに決められています。おもに以下の4とおりが代表的な方法です。
- 販売店へ直接出向く
- 銀行経由で提出
- カード会社へ郵送
- インターネットで申込手続き
申込書を提出するときには、事前に準備した必要書類も一緒に提出するのが一般的です。なお郵送にかかる費用は、申込者が負担する場合があります。
Webで申込む場合には、専用フォームに情報を入力していきます。画面の指示に従い必要事項を入力すると完了です。必要書類については、画像ファイルで提出します。会社により異なりますが、スマートフォンなどで撮影した画像を、専用ページにアップロードする方法が多いです。
3.クレジットカード会社の審査を受ける
申し込みが完了すると次は審査です。
審査の基準はクレジットカード会社ごとに異なりますが、公表されることはないため明確にはわかりません。一般的には、事実確認と信用調査が行われるとされています。
事実確認では、提供した情報に誤りや虚偽がないかをチェックされます。このとき勤務先に在籍確認が行われることも。また不明点や不備がある場合には、申込者へ確認の連絡がきます。
電話に出ないと審査が進まないため、拒否設定などをしているときは解除しておきましょう。
信用調査では、支払能力の調査が行われます。クレジットカード会社は信用情報機関に照会を行い、申込者の過去の取引履歴といった情報もチェックします。
支払の遅延や滞納のようなトラブルを過去に起こしていると、審査に通らないことがあるため注意が必要です。
4.契約を行いクレジットカードを発行する
審査に通過したあとは、クレジットカード会社との契約を行います。
手続きは会社によって異なるため、指示に従って進めてください。契約が完了すると、クレジットカードが発行されます。
クレジットカードの受け取り方法には、おもに以下の2とおりがあります。
店頭受取 | クレジットカードによっては、最寄りの店頭で受け取れる。 ただし、受け取る際に印鑑や身分証明書などが必要な場合もあるため、事前に確認を。 |
---|---|
郵送受取 | 悪用防止のために「本人限定郵便」で送られてくるため、受け取りは原則本人のみ。 不在で受け取れなかった場合、不在票に記載されている郵便局へ早めに連絡を。 |
なおクレジットカードによっては、年会費が前払いとなることがあります。
また発行されたときに年会費が請求されるカードもあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
クレジットカードと似ている6種類のキャッシュレス決済との違い
キャッシュレスで決済ができる仕組みには、クレジットカード以外にもさまざまなものがあり、混乱してしまうこともあるでしょう。
理解が追いつかないまま使用していると、いざというときに支払えないといったトラブルが発生することもあります。
まずは、クレジットカードと間違えやすいキャッシュレス決済の特徴を把握しておきましょう。
おもな機能 | メリット | デメリット | 支払方法 | おもな利用方法 | |
---|---|---|---|---|---|
クレジットカード | ショッピング | ポイントやマイルが貯まる | 使いすぎる可能性あり | 後払い | カード インターネット |
プリペイドカード | 使いすぎを防げる | 分割払いができない | 前払い | カード | |
キャッシュカード | キャッシング | 審査がなく学生でも所有可能 | 単体ではショッピング不可 | 後払い (※クレジット機能付き) | カード |
デビットカード | ショッピング | 使いすぎを防げる | 分割払いができない | 即時支払 | カード |
電子マネー | 決済タイプが豊富 | 自分に合うものを選びにくい | 前払い 後払い 即時支払 | カード スマートフォン |
|
銀行カードローン | キャッシング | 必要なときに現金が引き出せる | 基本的にはキャッシング以外できない | 後払い | カード 銀行振込 |
消費者金融系カードローン | 即日融資が可能 | 年収の3分の1以上の借入ができない | 後払い | カード 銀行振込 提携ATM |
1.プリペイドカードは前払いの決済方法
クレジットカード | プリペイドカード | |
---|---|---|
おもな機能 | ||
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 使いすぎを防げる |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 分割払いができない |
支払方法 | 後払い | 前払い |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | カード |
プリペイドカードは、前払いが特徴の決済方法です。事前に任意の金額を入金することで、支払いに利用できます。ただし、入金した金額を超える支払いはできません。残高が購入金額に満たない場合には、追加の入金が必要です。
プリペイドカードは前払いであるため、使い過ぎを防げるのがメリットといえます。そのためクレジットカードを使いすぎてしまう人にとっては、向いている決済方法です。使いすぎが防止できる一方で、分割払いができない点には注意しましょう。
プリペイドカードには、「使い切り型」と「チャージ型」の2種類が存在します。
使い切り型は、あらかじめ設定された金額を購入し使用するタイプです。使い切りとなるため、追加の入金はできません。おもには、QUOカードなどが該当します。
チャージ型は、繰り返し利用できるタイプです。残高がなくなった際、新たに入金(チャージ)することで、繰り返し支払えます。チャージの方法は、カードによって異なります。
2.キャッシュカードは口座への預金や出金に使うカード
クレジットカード | キャッシュカード | |
---|---|---|
おもな機能 | ショッピング | キャッシング |
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 審査がなく学生でも所有可能 |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 単体ではショッピング不可 |
支払方法 | 後払い | 後払い (※クレジット機能付き) |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | カード |
キャッシュカードは、金融機関の口座と紐づいたカードです。カードを使用することで、開設した口座から預金や出金ができます。
おもなキャッシュカードとしては、銀行や信用金庫が発行するカードが挙げられます。
キャッシュカードは、審査がないことが特徴です。金融機関に口座の開設ができれば、未成年者でも所有できます。
キャッシュカードは、基本的にショッピングや支払いなどには利用できません。
また近年では、クレジット機能が備わったキャッシュカードも存在します。
クレジット機能が搭載されたカードであれば、クレジットカードとしての利用も可能です。ただしクレジット機能を利用するためには、審査が必要な場合もあります。
3.デビットカードは即時引き落としの決済方法
クレジットカード | デビットカード | |
---|---|---|
おもな機能 | ||
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 使いすぎを防げる |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 分割払いができない |
支払方法 | 後払い | 即時支払 |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | カード |
デビットカードは、即時引き落としが特徴のカードです。
カードを利用して支払をすると、紐づいた口座より即座に引き落とされます。そのため紐づいた口座には、購入金額分の資金を入れておくことが必要です。
口座の残高を超える場合には、支払に使用できません。デビットカード使用を検討するときは、あらかじめ口座残高を確認しておきましょう。
デビットカードは、使いすぎを防げることがメリットです。自己資金以上の利用はできないため、支払残高が膨らむ心配はありません。一方で分割支払やリボ払いに対応していないことがデメリットです。
また、口座を活用する点でキャッシュカードと似ていますが、基本的にキャッシング機能は備わっていないことを理解しておきましょう。
4.電子マネーはスマホやICカードでの決済方法
クレジットカード | 電子マネー | |
---|---|---|
おもな機能 | ||
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 決済タイプが豊富 |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 自分に合うものを選びにくい |
支払方法 | ・後払い | ・前払い ・後払い ・即時支払 |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | ・カード ・スマートフォン |
電子マネーとは、現金を電子化したものです。スマートフォンやICカードを活用することで、利用料金の支払ができます。
電子マネーには多様な種類が存在しており、大きく以下の3つに分けられます。
プリペイド型 | 事前にチャージすることで使用できるタイプ。 事前に入金する必要があり、基本的には前払い。 |
---|---|
ポストペイ型 | クレジットカードと連携できるタイプ。 使用するとあとでクレジットカード会社から請求される。 |
デビット型 | 即時支払が特徴。 支払を行うと紐づいた口座から自動で引き落とされる。 |
電子マネーはクレジットカードと異なり、基本的には審査がありません。また、自分に合った支払方法を選択できることがメリットです。
なおポストペイ型の場合、クレジットカードと連携させるときには、審査が必要となることがあります。電子マネーでの決済が可能な店舗でも、種類によっては使えないものもあるので、利用する店舗に合わせて選びましょう。
またポストペイ型以外は、分割払いができない点に注意してください。
5.銀行カードローンは現金を借りるシステム
クレジットカード | 銀行カードローン | |
---|---|---|
おもな機能 | ショッピング | キャッシング |
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 必要なときに現金が引き出せる |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 基本的にはキャッシング以外できない |
支払方法 | 後払い | 後払い |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | ・カード ・銀行振込 |
銀行カードローンとは、おもに銀行が提供しているキャッシングサービスです。サービスを利用することで、利用限度額内で現金を借り入れられます。
カードローンは住宅ローンなどと異なり、利用目的を問わないことが特徴です。急な出費や生活費の補助などのように、さまざまな目的に使用できます。
買い物をする際はカードで直接決済できるわけではなく、カードで現金を借りることで買い物が可能になるという点が、クレジットカードとは異なる仕組みです。
6.消費者金融のカードローンは銀行より早く現金を借りられる
クレジットカード | 消費者金融のカードローン | |
---|---|---|
おもな機能 | ショッピング | キャッシング |
メリット | ポイントやマイルが貯まる | 即日融資が可能 |
デメリット | 使いすぎる可能性がある | 年収の3分の1以上の借入ができない |
支払方法 | 後払い | 後払い |
おもな利用方法 | ・カード ・Webサイト | ・カード ・銀行振込 ・提携ATM |
消費者金融のカードローンとは、消費者金融が提供するキャッシングサービスです。「PROMISE(プロミス)」や「アイフル」などのカードローンが該当します。
おもな機能は銀行カードローンと同じく、キャッシング機能です。ただし融資のスピードが異なり、消費者金融のカードローンのほうが早めに融資を受けられます。
一般に、銀行のカードローンでは審査に時間がかかる傾向があります。一方、消費者金融は比較的審査が早く、状況によっては即日融資も可能なため、すぐに現金の借り入れが可能です。
ただし消費者金融には、「利用者は年収の3分の1以上を超える借り入れができない」という「総量規制」が定められており、貸し付けできる上限が法律で規定されているので注意が必要です。
初心者が安心してクレジットカードを使うための注意点
クレジットカードを利用するときには、もしものときに対処できるよう、あらかじめ理解しておきたいポイントがあります。
クレジットカードは、お金と同じ役割をもつものです。そのため使い方次第では、個人の社会的信用にも影響を与えます。
信用が低下してしまうとローンが通らないといったような、信用取引に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
また場合によっては、不正利用などのトラブルに巻き込まれる恐れもあります。このような事態に陥らないためには、ケースごとに適切な対処を行うことが大切です。
使いすぎてしまうならプリペイドカードを検討する
自己管理がうまくいかない人は、プリペイドカードの使用を検討しましょう。プリペイドカードは前払いとなるため、必要以上に使いすぎる心配がありません。
クレジットカードは、使い過ぎに気をつける必要があります。現金がなくても買いものができるため、その場で現金を支払っていると錯覚してしまう人もいるでしょう。
当然ながら支払日には、利用代金を支払わなければなりません。あまりにも使い過ぎてしまうと、利用代金の支払いができなくなる恐れがあります。
そのためついお金を使いすぎてしまう人は、プリペイドカードの利用がおすすめです。しかしどうしてもクレジットカードを利用したい場合、利用限度額を下げるといった対策を講じましょう。
紛失したときはカード会社にすみやかに連絡する
クレジットカードを紛失したときには、すみやかにカード会社に連絡してください。
早急に対処しなければ、第三者による不正使用のおそれがあります。
クレジットカード会社では、紛失時の専用ダイヤルを設けていることが一般的です。そのあとの対応をスムーズに行うため、紛失したときはまず専用ダイヤルに連絡しましょう。
また紛失時には、警察署にも紛失届を出してください。
クレジットカードによっては紛失届の手続きをすることで、不正利用されたときに補償が受けられます。なお紛失届のことを正式には、「遺失届」といいます。遺失届に記載するのは、下記の内容です。
- 住所、氏名
- 連絡先
- 遺失(紛失)場所
- 紛失した物品と詳細事項
参考:遺失届とは|警察庁
遺失届が受理され、該当する取得物が届くと警察から連絡がきます。なかなか見つからない場合には、クレジットカード会社に相談してカードの再発行を依頼しましょう。
利用上限を超えたときは利用残高を減らす
クレジットカードによっては、利用上限を超えると使用停止となることがあります。次月の支払日まで使えないケースがよくみられますが、一生使えなくなるわけではありません。
クレジットカードは、支払日ごとに利用可能額が更新される仕組みです。
たとえば利用上限が100万円であるにもかかわらず、今月110万円の買いものをしたとします。利用上限額の100万円を超えた決済となったため、クレジットカードを一時的に使用できなくなります。
この場合、次月の支払日に20万円を支払って利用残高を90万円(110万円−20万円)に減らすと、利用上限100万円に達するまで残り10万円分のショッピング利用が可能です。
つまり、これまでの利用代金の一部を支払って利用残高を減らすことで、またクレジットカードを使用できるという仕組みです。
なお利用上限を超えたとしても、信用情報に影響が出るわけではありません。ただし支払が遅れる場合などには、信用情報に影響を及ぼすため注意が必要です。
カードのお届け先に間違いがあったときはすみやかにカード会社に連絡する
カードの受け取りを郵送で希望したにもかかわらず、なかなか届かない場合には、おもに2つの原因が考えられます。
- 配達時に不在
- 届け先が間違っている
まずは配達されたときに、不在だったケースです。クレジットカードは、基本的に本人限定郵便で送られ、本人が不在の場合には配達員が持ち帰るようになっています。
このときには不在票が投函されるため、記載されている番号に連絡すると再配達が可能です。
ただし数週間経っても不在票すら投函されていないときは、届け先が間違っている可能性があります。申込時に記載した郵便番号や住所に不備があると、自宅には届きません。
このようなときには、クレジットカード会社に返送されるのが一般的です。放置しておくと解約扱いになることもあるため、カード会社に連絡して手続きを行う必要があります。
解約になると、再度申込から手続きを行わなくてはならないため、手間がかかります。
発送の通知が来たにもかかわらず、なかなかカードが届かないときは、カード会社に確認してみましょう。
引落日と給料日が重なるときはカード会社の引き落としスケジュールを確認する
引き落とし日と給料日が重なるときは、口座残高に注意が必要です。口座残高が不足していると引き落としができず、カードが利用停止となる場合があります。
口座振込や口座引き落としの処理が行われる時間帯は、金融機関によってさまざまです。一般にクレジットカードでは、下記のような引き落としスケジュールとなっています。(日付は一例です)
3月18日(利用月) | クレジットカードを利用した |
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4月20日(翌月) | 3月16日〜4月15日利用分の締め日 |
5月25日(翌々月) | 4月20日締め分の引き落とし日 |
上記例の5月25日の引き落とし日に給料日が重なり、給料の振込より先に引き落とし処理が行われると、残高不足で引き落としされないことがあります。
特に残高が少ないときは、残高不足になりやすいため注意が必要です。
引き落としができないと、支払遅延として扱われることもあるため、残高には注意を払い計画的に利用しましょう。
クレジットカードのまとめ
クレジットカードは、手持ちの現金がなくとも支払いができる便利な決済方法です。ほとんどのカードが国内だけでなく海外でも利用でき、両替の手間もかかりません。
しかし、きちんと自己管理しなくては利用残高が膨らんでしまい、支払えなくなる危険性があります。
また、クレジットカードには種類ごとにさまざまな特徴があります。備わっている機能や付帯するサービスも異なるため、自分に合ったカードを探すことが大切です。
そのためカード選びをする際には、利用上限だけでなく年会費や特典なども考慮して、総合的に判断する必要があります。
クレジットカードは自分に適したものを選び、計画的に利用しましょう。