コラム
犬を飼う費用は一生で約388万円かかる!食費や医療費など犬と暮らす1,409人に調査

愛犬は家族の一員としてかけがえのない存在です。犬種によって異なりますが、犬全体の平均寿命は14.76歳(※)といわれています。
長年ともに暮らす中で、食費をはじめ、消耗品やおもちゃ、そして医療費とさまざまなお金がかかります。
この記事では、犬を飼っている人にアンケートを実施。小型犬(500人)、中型犬(500人)、大型犬(409人)の飼い主、合計1,409人の回答から、犬の一生でかかる費用を明らかにしました。
小型犬・中型犬・大型犬それぞれの費用について算出していますので、ぜひ参考にしてください。
※一般社団法人ペットフード協会「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」より
本記事で紹介しているデータは、アンケート結果から算出した平均などの値です。
犬の個体差や飼育環境などで費用は大きく変わるので、あくまで参考としてご利用ください。
※記載の数値は、特に注記がない限り小数点以下を四捨五入しています
当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、売上の一部が運営者に還元されることがあります。なお、得た収益が記事中での製品・サービスの評価に影響を与えることはありません。
気になる内容をクリック
犬を飼うためにかかる費用は一生で388万2,754円!大型犬と中型犬の差は105万4,410円
犬の飼育にかかる費用は、一生分で計算すると全種平均で388万2,754円でした。
小型犬、中型犬、大型犬の大きさ別に見てみると、もっとも費用がかかるのは大型犬(452万5,566円)で、次いで小型犬(365万1,586円)、中型犬(347万1,156円)の順でした。
犬の飼育にかかる年間の費用については、全種平均は26万3,059円で、小型犬24万7,397円、中型犬23万5,173円、大型犬30万6,610円になります。
犬を飼うにあたって、一生にかかる費用の差は大型犬と中型犬で105万4,410円と、100万円以上の開きがあることがわかりました。

調査対象:犬を飼っている1,409人(小型犬500人、中型犬500人、大型犬409人)
調査地域:全国
調査期間:2023年6月19日~7月18日
調査主体:MoneyGeek編集部
調査委託先:アイブリッジ株式会社
この記事での「犬の一生にかかる費用」は、下記の項目それぞれの平均をとり、犬の平均寿命のデータを参考に、14.76年分かかると想定した費用を算出しています。
- 食費・・・主食代とおやつ代の合計
- 消耗品・雑費・・・ペットシーツ・消臭スプレー・オムツなどトイレまわり消耗品代、おもちゃ・洋服などの雑費
- 冷暖房費・・・犬を迎えてから増えた分のエアコンなどの電気代
- ペットサロン代・・・トリミングやグルーミングなどのペットサロンの利用料金
- 医療費・・・病気やケガなどの通院費、健康診断、狂犬病予防接種、ワクチン接種、ペット保険
- 初期費用・・・犬自体の購入代金、犬を迎えるにあたってかかった準備費用(畜犬登録、マイクロチップ装着、ベッドやトイレなどの備品の購入)、避妊・去勢費用
犬の一生にかかる費用の内訳
どの項目で差が出てくるのでしょうか。次からは、項目別に詳しく見てみましょう。
【日常的にかかる費用】犬の食費やトイレまわりの消耗品などは一生で約247万円
まずは、必須である食費やトイレまわりの消耗品、シャンプーやおもちゃなどの雑費といった、日常的に必要となる費用について紹介します。
【犬の食費】一生分の費用の全種平均は138万2,776円!大型犬は小型犬よりも70万円以上多くかかる
1カ月あたりの犬の食費は、全種平均で7,807円でした。内訳は、ドッグフードなどの主食となる食費が5,130円、おやつ代が2,677円です。
この金額をもとに計算すると、年間では9万3,684円、一生では138万2,776円の食費がかかることがわかりました。
食費は当然のことながら、大型犬ほど多くかかります。小型犬、中型犬、大型犬それぞれの月ごとの食費平均は下記のような結果でした。
犬の大きさ別の食費平均(1カ月)
主食 | 3,897円 | 4,533円 | 6,960円 |
---|---|---|---|
おやつ | 2,210円 | 2,586円 | 3,235円 |
合計 | 6,107円 | 7,119円 | 1万195円 |
小型犬の食費は、年間7万3,284円、一生で108万1,672円です。中型犬は年間8万5,428円、一生で126万917円。大型犬は年間12万2,340円、一生で180万5,738円かかることになります。
食費が最大の大型犬と、最小の小型犬の差は、一生で換算すると72万4,066円という結果になりました。
【犬のトイレまわり】一生分の費用の全種平均は57万6,171円!多くかかるのは大型犬、小型犬、中型犬の順
犬のトイレには、ペットシーツをはじめ、トイレを覚えるまで使うオムツや、消臭スプレーなどの費用がかかる場合があります。
トイレまわりにかかる1カ月あたりの費用について、1,000円ごとの金額帯に分けて質問しました。 その結果、トイレまわりにかかる費用の1カ月あたりの全種平均は3,253円。年間で3万9,036円、一生で57万6,171円ということになります。

ただ、犬のライフスタイルによっては、散歩の時にトイレをすませて、トイレ用品代は限りなく0円に近いということもあるでしょう。
平均値がもっとも低い中型犬(2,941円)は、「0円」という回答が12%でした。
平均値がもっとも高い大型犬(3,670円)も「0円」の回答は中型犬と同様に12%でしたが、金額帯の分布を見ると「4,000~5,000円」の回答が14%あり、高めの金額にも分布が広がっています。その結果、平均値が高くなりました。
小型犬は「0円」が3%で、中型犬や大型犬に比べて低い割合でした。小型犬はペットシーツなど、トイレ用品の使用がほぼ必須といえるでしょう。
ただ1カ月にかかる金額は1,000~2,000円(22%)の金額帯に集中し、平均値は3,147円でした。
【犬のための雑費】シャンプーやおもちゃなどの一生分の費用は全種平均で51万4,002円!
食費やトイレまわりの消耗品以外にも、シャンプーをはじめとする身だしなみに関するものや、おもちゃや洋服など、犬のためのグッズはいろいろとあります。
こうしたグッズの購入費用をまとめた雑費は、1カ月あたり全種平均で2,902円でした。年間だと3万4,824円、一生で51万4,002円です。
雑費も平均値が一番高いのは大型犬(1カ月3,295円)です。大型犬はパワーがあるので、おもちゃをあげてもすぐ壊してしまい、買い替えることが多くなるようです。
雑費の1カ月平均値は、小型犬(2,904円)、中型犬(2,508円)と続きます。

これら犬用品は、すべてが絶対に必要というわけではなく、環境や犬の性格によっても変わってくるでしょう。
それだけに回答の金額帯はさまざまで、お金をかけていない場合も多く、「1,000円未満」は小型犬28%、中型犬34%、大型犬26%でした。
【ときどきかかる費用】医療費・ペットサロン代・冷暖房費の合計は一生分で100万円以上!
犬との暮らしには、これまで見てきた食費や日常の消耗品・雑費以外に、特定のタイミングで必要となる費用もあります。
たとえば、突発的な病気やケガによる医療費、季節的な出費となる冷暖房費。犬種や状況によっては、トリミングやグルーミングのためにペットサロンを利用することもあるでしょう。
これらの「ときどきかかる費用」に関するアンケート結果を紹介します。
費用については利用料がかからない場所に連れていったり、ドッグランを併設しているキャンプ場だったりとさまざまでした。 このように、お出かけについては、飼い主の居住地域や志向にもよるため、今回の調査の対象には加えていません。
【犬の医療費】一生でかかる費用は全種平均で79万3,905円!思わぬケガや病気で高額になることも
犬の医療費は、病気やケガの時の病院代、健康診断の費用、ワクチンの接種費用、そして万が一のためのペット保険料を合計しました。
上記項目の計算の結果、犬の飼育にかかる一生分の医療費は全種平均で79万3,905円でした。
犬の一生でかかる医療費の平均(内訳と合計)
病院代 | 13万9,540円 | 20万2,911円 | 26万6,635円 |
---|---|---|---|
健康診断 | 10万2,508円 | 9万9,851円 | 9万7,327円 |
混合ワクチン接種 | 7万7,209円 | 7万4,656円 | 8万2,833円 |
狂犬病予防注射 | 5万9,040円 | 5万9,040円 | 5万9,040円 |
ペット保険 | 35万3,708円 | 30万7,834円 | 39万9,583円 |
合計 | 73万2,005円 | 74万4,292円 | 90万5,418円 |
ワクチンは、任意で受ける混合ワクチンと、年に1回の接種が義務付けられている狂犬病予防注射があります。
混合ワクチンは、2種、3種、4種などと、混合されているワクチンの種類によって費用が変わります。
調査の結果、混合ワクチン接種の費用は1回につき全種平均で5,300円でした。
狂犬病予防注射は、自治体で集団接種を行っている場合と、各自が動物病院で行う場合があり、注射代はおおむね3,000~4,000円です。また、狂犬病予防注射済票交付手数料550円も必要となります。
ここでは、注射代と注射済票交付手数料を合わせて4,000円として計算しています。
ペット保険の支払額は全種平均で月1,997円!加入率は全種でおよそ50%
ペット保険の加入率は小型犬52%、中型犬45%、大型犬53%で全種の平均としてはおよそ半分でした。
1カ月の保険料はどの犬種も「2,000~3,000円」と「3,000~4,000円」の金額帯に集中しており、全種の平均を出すと月1,997円でした。
【ペットサロン】利用料は一生で全種平均24万470円!小型犬は75%がペットサロンを利用
犬の被毛をカットして整えるトリミングや、爪切りや耳掃除などのグルーミングのために、ペットサロンを利用することもあるでしょう。
犬種によっては不要の場合もあり、ペットサロンの利用率は小型犬(75%)、中型犬(47%)、大型犬(43%)の順でした。
調査では、年間でどれくらいの費用がかかっているかを質問。ペットサロンを利用していない場合は0円として、回答者全体の平均値を計算すると、ペットサロンにかかる費用は全種平均で年間1万6,292円でした。1カ月あたりに換算すると1,358円、一生で24万470円になります。

犬種によって利用率が違うため、平均値にも影響しています。
回答を詳細に見ると、特に回答が集中している金額帯はなく、ペットサロンの利用料はさまざまでした。
ペットサロンを利用している場合の回答のみを抜粋して平均値をとると、年間の利用料は小型犬3万1,404円、中型犬2万4,901円、大型犬3万2,818円になります。
【冷暖房費】犬のために追加でかかる電気代は一生分で合計14万9,002円!小型犬のための冷房費がもっともかかる
現代では、犬を室内飼いしていることも多く、猛暑・厳寒期には犬のためにエアコンが必要となる場合もあるでしょう。
犬を迎えてから、犬のために追加で使用する冷暖房の状況を調査しました。
犬用の部屋で冷暖房を使っている、留守などで人が必要としない時でも犬のためにエアコンを使っていると回答した割合は、冷房が44%で暖房が34%でした。
使用する期間と時間から計算すると、全種平均で年間の電気代1万95円が犬のための冷暖房費として増えていることがわかりました。

犬のために冷房・暖房を使っていると回答した人の使用期間は、冷房が小型犬4.0カ月、中型犬4.0カ月、大型犬4.4カ月でした。
また暖房は小型犬4.2カ月、中型犬4.3カ月、大型犬4.0カ月でした。
中には、犬用の部屋は年間を通して冷暖房をつけっぱなしで空調管理をしているという回答もありました。
【最初にかかる費用】犬を迎える際にかかった費用は全種平均22万6,428円!
調査によると、犬を迎える際に初期費用としてかかったのは、全種平均22万6,428円でした。
犬の大きさ別では、小型犬22万1,925円、中型犬21万1,420円、大型犬24万5,939円という結果になりました。
初期費用としては、以下の内容を合計しています。
- 犬自体の購入費・・・ペットショップやブリーダーから購入した場合の犬自体にかかるお金
- 準備費用・・・ベッドやトイレ、リードやサークルなどの備品の購入代、迷子にならないようにマイクロチップを装着した場合の費用、畜犬登録費用など
- 避妊・去勢手術費用・・・犬を迎えたあとに手術を受けた場合
次からは、それぞれの内訳について詳しく見てみましょう。
【生体購入費】全種平均で17万6,604円!大型犬はブリーダーから、小型犬はペットショップで購入する傾向
犬の生体購入や譲渡の際の謝礼としてかかった費用は、全種平均で17万6,604円でした。
犬を迎えたルートとしては、ペットショップが一番多い結果でしたが、犬の大きさ別に見ると小型犬は62%と比率が高く、大型犬はペットショップ(39%)とブリーダー(34%)が僅差でした。
中型犬は「友人から譲渡(22%)」「譲渡会・保健所などから譲渡(15%)」がほかの大きさの犬種と比べて高く、購入費用がかかっていない割合が29%でした。迎えたルートとしては、引退した盲導犬や介助犬を引き取ったという回答もありました。

犬の生体購入費用を犬の大きさ別、ルート別に詳しく見てみましょう。
小型犬 | 平均21万3,833円 | 平均19万5,797円 |
---|---|---|
中型犬 | 平均20万845円 | 平均18万1,000円 |
大型犬 | 平均25万9,772円 | 平均25万3,409円 |
犬の生体購入費用は犬種により大きく変わるため、一概にはいえませんが、ペットショップよりもブリーダー経由の方が若干抑えめの値段となるようです。
【犬を迎える準備費用】合計は全種平均で2万8,052円!ベッドやリードなどの備品のほか畜犬登録の費用もチェック
犬を迎えるにあたって準備した備品の購入代などの合計は、平均2万8,052円かかったことがわかりました。
犬のための備品としては、散歩の時に使うリードや食器などがまず必要です。そのほかのベッドやトイレ、サークルなどは飼育環境によって要・不要が分かれるでしょう。
状況がさまざまであることは、アンケートの回答に表れ、一定の金額帯に集中せずばらつきが見られました。

備品については、犬と付き合いながら、必要に応じて買いそろえる場合も多いのでしょう。
ただし、畜犬登録は飼い主の義務として必要です。交付手数料は3,000円で、登録方法は狂犬病予防注射の際に行う、飼い始めてから申請をするなど、自治体によって異なります。これから犬を飼うことを検討している場合は確認しましょう。
【避妊・去勢手術代】全種平均は2万1,771円!手術をした割合は約56%
犬の避妊や去勢の手術をする場合、生後6カ月前後に受けることが推奨されています。(※)
避妊・去勢手術をした割合は全種平均で約56%。犬の大きさ別に見ると小型犬(60%)がもっとも高い割合で、中型犬(55%)、大型犬(52%)の順でした。
避妊・去勢手術の費用は、全種平均で2万1,771円(手術なしを0円として計算)。大きさ別に見ると、小型犬は2万3,130円、中型犬は2万240円、大型犬は2万1,944円でした。
避妊・去勢手術を受けさせたという回答のみを抽出して手術費の平均を割り出すと、全種平均は3万9,810円という結果に。
犬の大きさ別に見ると、大型犬は4万3,149円と一番高額で、中型犬は3万7,343円、小型犬は3万8,939円でした。
犬のいたずらで家具の買い替えも!予想外の出費があったエピソード
ここまでで、犬との暮らしでかかるさまざまな費用の平均を見てきました。
愛犬との暮らしはお金には代えられないものでしょうが、それでも予想外の出費に悩まされることも。飼い主さんの体験談を紹介します。

多かった声は、家具や家電の破損など。特に小さいうちはやんちゃなので、こうしたトラブルが絶えないようです。中には、誤飲によって病院で緊急手術になった例も何件か見られました。
また、ドッグランや散歩に行った時に犬同士がけんかしてケガをした・させたということも。医療費だけにとどまらず、ケガをさせた相手への賠償金の支払いにまで発展したというケースもあるようです。
また、犬が年を重ねると医療費をはじめとするさまざまな費用がかさむ場合もあります。そのため、犬と長年一緒に暮らすにはそれなりのお金がかかり、その覚悟が必要ということが今回の結果からも垣間見えました。
本記事の内容(画像、データ、その他情報)は、以下のルールに準じたうえで引用可能です。
・本記事へのリンクを貼ること
・引用元として下記を記載すること
MoneyGeek「犬を飼う費用は一生で約388万円かかる!食費や医療費など犬と暮らす1,409人に調査 」
今回の「犬の一生にかかる費用」についての調査にあたり、小型犬、中型犬、大型犬に分け、それぞれ約500人ずつの飼い主さんにアンケートに答えてもらいました。
食費をはじめとしたさまざまな費用が、犬の大きさによって全く異なると想定したからです。
調査の結果を見ると、予想以上に差が大きく、大型犬は食費だけでなく、ほとんどすべての項目で平均値が高くなりました。
医療費や冷暖房費などは、犬種による環境適応力や元々の体の丈夫さも関係するでしょう。
今回のアンケートに答えていただいたみなさんの愛犬の犬種トップ3は、下記のとおりです。
小型犬/トイプードル(26%)、チワワ(17%)、ミニチュアダックスフンド(16%)
中型犬/柴犬(42%)、ミックス(雑種)(22%)、フレンチ・ブルドッグ(6%)
大型犬/ゴールデン・レトリバー(26%)、ラブラドール・レトリバー(26%)、秋田犬(9%)
ドッグフードの栄養バランスや飼育環境の向上、医療の発達などの理由で犬の寿命はどんどん延びているといわれています。
長年連れ添う大切な家族のため、責任とその分のお金がかかることを改めて認識できた結果となりました。