クレジットカード
楽天カードが改悪?11月と12月のサービス変更でポイント大幅減少!

楽天カードは、12月から楽天プレミアムカードなどの有料カードを対象に、楽天市場でのポイント倍率が低下します。また2025年1月1日からはプライオリティ・パスの利用制限が変更されます。
さらに11月にはポイント付与のルールの変更もあり、ポイント計算方法が月の合計利用額から、1回の利用額ごとへ変わっています。
この記事では最新のカード情報に加え、11月からのポイント計算方法の変更でどれくらい損をするのか?対応策は?他社カードに乗り換えるべき?など、さまざまな疑問にお答えします。
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2023年最大の改悪?楽天プレミアムカード等のサービス内容変更
2023年11月1日(水)に、楽天カードの有料カードである「楽天プレミアムカード」「楽天ビジネスカード」「楽天ブラックカード」を対象にした、サービス内容の変更が発表されました。

サービス内容の変更は大きく2つです。
楽天プレミアムカード等のサービス変更
- 楽天市場でのポイント倍率や獲得上限ポイントの減少
- プライオリティ・パスの利用制限
2023年12月1日からは、楽天プレミアムカードの楽天市場での獲得ポイントが減ってしまいます。
これまであった通常倍率+2倍の楽天プレミアムカード特典がなくなり、月間ポイント獲得上限は5,000ポイントとなります。
さらに、プライオリティ・パスはこれまで何回利用しても無料でしたが、2025年1月1日以降は海外ラウンジの利用が年5回まで無料となり、利用制限が設けられました。


楽天プレミアムカードは年会費10,000円と高額ながら、楽天市場でのポイント還元率が高いため年会費の元が取りやすいお得なカードでした。
しかし、今回のサービス変更によってこれまでに比べてお得度が下がってしまいそうです。
【11月から】楽天カードのポイントは月の利用合計から1回の利用額で計算

楽天カードは2023年8月1日にポイント計算方法の変更を発表しました。
これにより2023年11月の請求分からは、楽天カードは月内の利用額の合計に対しての付与から、1回のカード利用ごとに100円につき1ポイントが計算されて付与されるようになります。
楽天カードは毎月月末が締め日(楽天市場での利用分は毎月25日)で、翌月27日が請求となるため、10月の楽天カード利用分から1回ごとの買い物でポイントが計算されるようになります。

これまでは月のカード利用額の合計に対してポイントが計算されていたため、1回の利用額の99円以下も合算されてポイントが付与されていました。

しかし2023年11月からは1回の買い物ごとのポイント計算となるため、99円以下は毎回切り捨てられて、ポイントの対象とはならなくなります。

クレジットカードは月の合計に対してポイントを計算していることが多く、今回のポイント計算方法の変更は楽天ポイントを活用している人にとってサービスの改悪ととれます。
楽天カードのサービス変更で何ポイント失う?少額決済が多い人は特に損をする

11月からの変更では還元率1.0%に変更はありません。しかし実際は獲得ポイントが減るので、実質還元率の減少ともいえます。
楽天カードは100円につき1ポイント付与なので、99円以下は切り捨てとなります。そのため少額決済の回数が多い人が特に”改悪”と感じてしまうでしょう。
では実際にどれくらい獲得ポイントが減ってしまうのかを紹介します。
高額決済が多いと失うポイントは少ない
利用額 | これまで | これから(2023年11月~) | |
---|---|---|---|
A | 9,800円 | 346ポイント | 98ポイント |
B | 5,890円 | 58ポイント | |
C | 3,980円 | 39ポイント | |
D | 15,000円 | 150ポイント | |
合計 | 34,670円 | 345ポイント(実質還元率0.995%) |
今回のシミュレーションでは、計算上の実質還元率はこれまでとあまり変わらず、失うポイントは1ポイントと少ない結果となりました。
少額決済が多いと実質還元率が0.2%程度減る
利用額 | これまで | これから(2023年11月~) | |
---|---|---|---|
A | 980円 | 21ポイント | 9ポイント |
B | 380円 | 3ポイント | |
C | 190円 | 1ポイント | |
D | 580円 | 5ポイント | |
合計 | 2,130円 | 18ポイント(実質還元率0.845%) |
少額決済が多いと合計の獲得ポイントより減ってしまい、実質還元率も0.2%程度下がる結果となりました。
確かに”改悪”だが、楽天カードの解約とまではならない?
このように楽天カードの利用状況によっても異なりますが、少額決済が多い利用者にとっては、11月からのポイント計算方法の変更で実質還元率が0.8%程度となってしまう可能性があります。
一方で、ポイント計算方法が変わっても、失うポイントが年間で100ポイントにも満たない可能性が十分にあります。
つまり今回の楽天カードのサービス変更は”改悪”ではあるものの、楽天経済圏でさまざまなサービスを利用している方にとっては、「楽天カードの解約」とまではならないかもしれません。
楽天カードが1回の利用額がポイント対象になった場合の3つの対応策

ポイント計算方法の変更で楽天カードの解約とまではならなくても、やはりこれまでもらえていたポイントがなくなってしまうのは悔しいですよね。
ここでは失ったポイントを補うための対応策について解説します。
- 99円以下の端数が出ないように買い物をする
- 楽天ペイでポイント3重取りをする
- 楽天銀行デビットカードと使い分ける
99円以下の端数が出ないように買い物をする
99円以下はポイントの対象にならないので、198円などの少額の買い物が多いと損をする原因になってしまいます。
そのため単純な方法ではありますが、複数の商品をまとめて買うなど1回の買い物で99円以下の端数が出ないように買い物をする方法です。
また楽天カードは税抜価格に対してポイント付与されるため、本体価格の合計に端数が出ないように買い物をするといいでしょう。
楽天ペイでポイント3重取りをする
楽天カードを持っている場合は、楽天のQRコード決済の「楽天ペイ」を利用すると楽天ポイントを効率よく貯められます。
楽天ポイントを3重取りする方法は、楽天カードで楽天ペイにチャージをして、さらに楽天ペイ利用時に楽天ポイントカードや楽天以外のポイントカードを提示することです。
※楽天キャッシュは楽天カードで楽天ペイにチャージした電子マネーの名称です。
また楽天カードと楽天ペイを併用すると合計の還元率は1.5%です。楽天カードだけの利用に比べて1.5倍のポイントが貯まるので、楽天カードを持っている場合はQRコード支払いに楽天ペイを使うのがおすすめです。
▼楽天カードと楽天ペイ利用時の還元率
楽天カードで楽天キャッシュへチャージ(還元率0.5%)+楽天ペイの決済(還元率1.0%)=還元率1.5%

楽天銀行デビットカードと使い分ける
楽天ポイントを貯められるカードに「楽天銀行デビットカード」があります。
楽天銀行デビットカードは、11月以降も月の合計利用金額がポイントの対象なので、これまでどおり楽天ポイントを獲得できます。
また楽天銀行デビットカードは、楽天カードとは異なりカード利用時に口座から即時引き落としになるので、カードの使い過ぎを防ぐこともできます。
さらに楽天カードは公共料金の支払いの場合還元率0.2%と低いですが、楽天銀行デビットカードは公共料金の支払いも還元率1.0%のままというメリットもあります。
一方で楽天銀行デビットカードは楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象外です。楽天市場での買い物は楽天カードを使い、街での買い物は楽天銀行デビットカードを使うなど使い分けるといいでしょう。
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---|---|---|
年会費 | ||
還元率 | ||
ポイント計算方法 | ||
審査 | ||
対象年齢 |
※楽天銀行デビットカードで楽天ポイントを貯めるには、楽天会員リンク登録(ハッピープログラムへエントリー)が必要です。(出典:楽天カード公式ページ)
楽天カードの改悪で他のカードに乗り換えるべきか?

11月のポイント計算方法の変更後は、楽天カードから他社のカードへ乗り換えるべきなのでしょうか?
次の3つに当てはまる場合は、乗り換えを検討すると今回の改悪で受ける利用のデメリットは解消されるでしょう。
▼他カードへの乗り換えを検討してもよい人
- 楽天市場ではあまり買い物をしない
- 楽天ペイを使っていない
- 楽天カードをあまり使っていない
楽天カードは楽天市場での買い物や楽天ペイの楽天キャッシュへのチャージに使うことでポイントが貯まりやすいカードです。
そのため楽天市場よりもAmazonをよく使う場合や、楽天ペイよりもPayPayを使っている方は他社のクレジットカードの利用を検討してもいいでしょう。
一方で、楽天市場や楽天ペイに加えて、楽天証券・楽天モバイル・ラクマなど楽天経済圏のサービスを利用している場合は、楽天ポイントを活用できるので楽天カードを使い続ける方がいいかもしれません。
楽天カードと他社カードのポイント付与ルールの比較
クレジットカードの多くは月の合計金額でポイント換算しているものが多いですが、楽天カード以外にも、すでに1回の買い物ごとにポイント換算しているクレジットカードはあります。
ここでは楽天カードと他社のクレジットカードのポイント付与ルールを比較して紹介します。
![]() | 1回の買い物ごと | 1.0% 100円につき1ポイント | 楽天ポイント | 楽天ペイ |
---|---|---|---|---|
![]() | 月の合計 | 0.5% | Vポイント | |
![]() | 月の合計 | 1.0% 1,000円(税込)1ポイント | Oki Dokiポイント | ー |
![]() | 1回の買い物ごと | 1.0% 100円(税込)につき1ポイント | dポイント | d払い |
![]() | 1回の買い物ごと | 1.0% 200円(税込)につき1% | PayPayポイント | PayPay |
![]() | 月の合計 | 1.2% | リクルートポイント | ー |
JCB CARD Wは月の合計でポイントが計算されますが、1,000円(税込)につき1ポイントの付与となり、999円以下は切り捨てられてしまうので、
この中でおすすめなのは三井住友カード(NL)です。三井住友カード(NL)は還元率0.5%ですが、利用店舗によっては7%の還元率になることもあります。またVポイントは、2024年の春にはTポイントと統合されるためよりポイントを活用できるようになるためです。
なぜ楽天カードは1回の利用額のポイント計算になったのか?

ではなぜ楽天カードのポイント計算方法が変更されることになったのでしょうか?
ここでは考えられる原因を考察して紹介します。
楽天モバイルのマイナスを補うため
大きな要因として考えられるのは、楽天モバイルのマイナスを補うためです。
楽天カードは、取扱高が5.2兆円、カード発行枚数は2,924万枚(2023年度第2四半期決算より)と好調である一方で、楽天モバイルは営業利益-789億円と赤字となっています。
楽天カードのポイント計算方法が変わると、利用者の数ポイントの少ない損失が楽天カード全体では膨大なプラスとなるため、楽天モバイルの赤字分を補える可能性があるということです。
出典:楽天グループ株式会社2023年度第2四半期 決算ハイライトに関するお知らせ
2023年に行われた楽天カードのサービス変更

11月のポイント計算方法変更のほかに、2023年には楽天カードのポイントサービスがいくつか変更されています。(2023年10月時点)
日付 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
1月5日(木) | Amazonでの楽天カード(Mastercard)利用のポイント還元率の変更 | 還元率1.0%→還元率0.2%*1 |
2月1日(水) | 楽天ブックスのSPU月間獲得上限ポイント数の変更 | ポイントランクに関わらず、全会員1,000ポイント*2 |
9月1日(金) | 楽天市場アプリでのSPU特典の終了 | 楽天市場アプリでのお買い物でポイント+0.5倍のサービス終了 |
10月1日(日) | ENEOSサービスステーションの利用で楽天ポイント最大1.5倍のサービス終了 | 100円(税込)利用につき1ポイント獲得*3 |
11月 | 楽天カード利用獲得ポイント計算方法の変更 | 月の合計→1回のお買い物ごと |
11月1日(水) | 年会費有料カードの一部サービス変更 | 楽天市場での得点倍率、獲得ポイント上限の変更 プライオリティ・パスの利用制限*4 |
出典*1:楽天カード(Mastercard)ご利用時の一部ポイント進呈条件の変更について
*2【お知らせ】2023年2月1日(水)から楽天ブックスのSPU特典内容が変更となりました
*3ENEOSサービスステーション利用時のポイント進呈条件変更のご案内
*4年会費有料カードの一部サービス変更のご案内
楽天カードは今後もサービス変更で改悪が続くのか?
2023年に行われた変更はどれも改悪ととれる内容です。また2年前の2021年の変更では、楽天ゴールドカードのSPUのポイント倍率や公共料金支払いの際の還元率の減少などもありました。
そのためこの先も楽天カードのサービス変更が行われる可能性はあります。
一方で、他社クレジットカードもサービスの見直しは行われているため、"改悪"と呼ばれるような変更は楽天カードに限った話ではありません。
これからはサービス変更の際には、カードの乗り換えだけでなく、使い方を見直して対策をとるなども合わせて検討していく必要があるかもしれません。
楽天カードは11月からポイント計算方法が変更され、1回の買い物ごとにポイントが計算されます。
これによって、還元率1.0%は変わらないものの獲得できるポイントが減ってしまいます。
もらえるポイントが減ってしまうのは困りますが、還元率0.1〜0.2%程度、数ポイントの減少となる可能性が高いため、影響が大きいとは言えません。
また楽天カードを持っている方は、楽天市場、楽天ペイ、ラクマなどの楽天経済圏と呼ばれるサービスを多く利用している傾向にあるため、今回のサービス変更で「楽天カードを辞める」とまで決めるのは難しいかもしれません。